お迎え・見守りサービスに関心を寄せる企業は少なくない
日経DUAL編集部 お迎え・見守りサービス業界が盛り上がっているという印象がありますが、これは国の施策が影響しているのでしょうか?
武田佳奈さん(以下、敬称略) 2013年に発表された第二次安倍政権の経済政策、いわゆるアベノミクスのなかで、成長戦略の柱の一つとして女性活躍の推進が掲げられ、女性の就業への復帰や継続を支援するための各種取り組みにフォーカスが当たっているのはご存じかと思います。
昨年の改訂戦略には「(女性の活躍・社会進出の)もう一つの大きな障害となっていたいわゆる『小1の壁』の問題に解決策を示す」と記され、国は、今度は小学生にも目を向けて、子育てと仕事の両立に関してもきちんと対処していく姿勢を打ち出しました。
こうした流れのなかで、施設を中心とした保育や見守りの充実に加えて、お迎え・親の帰宅時間までの見守りを対象としたサービスの充実にも注目が集まっているのだと思います。
野村総合研究所の武田佳奈さん
―― そうすると、やはりお迎え・見守りサービスを提供する会社が増えて、活況を呈しているのでしょうか?
武田 お迎えや見守りといった生活支援サービスは新しい業種です。まだサービス内容の定義も確立されていないのが現状で、売り上げデータなど公表されている数字も十分には集まっておらず、市場規模がまだ正確には把握できない状況です。
ただ、いくつか読み取れる傾向があります。シッター専業事業者だけでなく、異業種からの参入も増えています。例えば、民間学童や塾、スポーツクラブがお迎えサービスを提供するというのはその典型です。家事支援サービス事業者が、子どものお迎えや見守りもサービスの対象にするような動きもあります。
こうした生活支援系のサービスには今、社会的責任を果たす目的として、あるいは将来の成長市場として、様々な企業が関心を持っていると感じています。