炭に火がつかなくて困ったママ達をヘルプ
「たき火が趣味」と言うと、けげんな顔をされるけれど、たき火が嫌いな人はいないようだ。みんな火のぬくもりは知っている。炎を見ていると癒やされるのも分かると思う。太古の昔、火の扱いを知ったからこそ、ヒトはこれほど栄えてきたのだから。
でも、今じゃ獣に襲われることはないし、コントロールされたガスや電気で煮炊きはできるし、火以外の手段で暖も取れる。そのうえ、たき火が自由にできる場所も無い。だから、あえて趣味と公言して積極的に楽しむことにしている。
この趣味が役立つときがバーベキューだ。こんなことがあった。都内でも数少ないたき火ができる公園で、一人でたき火を楽しんでいたところ、後ろから「すみませーん」の声。幼児を連れ、火箸とうちわを持った女性が立っている。「炭に火がつかないんです。お見受けしたところ、とってもお上手なようなので……ご迷惑かと思ったんですが」と。
見ると、バーベキュースタンドの周りで数人のママ達が一生懸命うちわであおいでいる。着火剤には火がつくものの、炭にはつかない。子ども達は遊び回っているが、今にもおなかがすいたと集まりそうな気配で焦っているとのこと。
火箸を借りて炭を置き換え、着火剤の包み紙をひねってつけ、火にして投入。着火剤も混じっているので、苦もなく着火。5分もしたら、キンキンと炭のおこる音がし始めた。「この音ですよね」と元気になってきたママ達。自分のたき火に戻って本を読んでいると、焼きそばが届いた。
ね、役立つでしょ。
「小さかったころは争うように食べたマシュマロも1個で限界かな」とアキラ君
習得したい! たき火のコツ
今回の記事を書くに当たって、炭のおこし方を息子達に伝授しようともくろんだが、都合がつかずに息子の友人の一人、松田晶君(アキラ)が協力してくれることになった。海外を自転車で回る計画を練っていると聞いていたので、連絡すると渡りに船とのこと。アウトドアで私に聞きたいことが色々あるという。幼稚園から高校まで息子と一緒で、今もうちによく顔を出すから遠慮もない。
まずは、たき火。アキラに小枝を拾い集めてもらい、太さ別に3種類くらいに分けておく。次にガムテープ10cm×2枚で輪っかを作ってたき火をする場所に置く。
詳しいたき火、炭おこしのコツと野外フォカッチャのレシピは次ページから。