音楽がガンガン鳴り響くスタジオで育った
華やかさを身にまとう森理世さんだが、森母娘を知る人に言わせると、色に例えるなら理世さんは「淡いパステルカラー」、お母さんは「情熱の赤」とのこと
日経DUAL編集部 森さんのお母さんは自宅の1階にスタジオを持ち、ダンススクールの先生として活躍。森さんがおなかにいるときも2度舞台に立ち、産後2カ月で職場に復帰したそうですね。
森理世さん(以下、敬称略) はい。母は私の首が据わったころから赤ちゃん用のカゴに私を入れ、音楽がガンガンかかっているスタジオに置いて私を育てました。他の家庭で母親が料理をするのが当たり前のように、私にとっては母が踊るのも働くのもごく当たり前なことでした。
以後、ずっと「お母さんと一緒にいたかったら、ここで静かにしていなさいよ」と言われて育ったので、騒いでスタジオを走り回ったり泣いたりして母を困らせる、ということはなかったみたいです。母と一緒にいたかったら、言うことを聞いていたんですね。
―― お母さんがダンスを教える姿を黙ってじっと見ている……小さい子なら集中力が切れてしまいそうです。
森 母が仕事をしている姿を見るのがとても楽しかったんです。きれいな格好をした大人達がいっぱいいて、何かに真剣に取り組んでいる姿はキラキラして見えた。その空間に一緒にいられるというだけでワクワクしました。だから少しも苦ではなかったです。
加えて、私が静かにして見ていると、たくさんの大人が「えらいね、えらいね」って頭をなでてくれた。単にきれいな人に褒められたかったのもあるかもしれません(笑)。