アメリカでも母乳育児はブーム
「母乳で育てていないと、なんとなく白い目で見られるんだよ……」
同じ時期に子どもを産んだ日本の友人からそんな話を聞いたのは、私が息子を出産する間際のことだ。
「日本では、他人の目を気にするからね。アメリカでは、それぞれ自分のポリシーがあったり、他の人がどうやっているかとかあまり気にしたりしないから。私は、とりあえず母乳はやってみるけど、ダメだったらすぐミルクにしちゃうと思う」
私は、そう答えた。でも、実際は違った。
今、アメリカでは母乳育児ブームだ。人によって感じ方は違うかもしれないが、私は、少なくとも1歳までは母乳で育てた方がいい、というプレッシャーを感じた。
赤ちゃん用品専門店では母乳育児をサポートするため、母乳育児コーナーを大きく設けている
私が出産した病院は母乳育児推奨病院だった。病院で行われる母親学級では母乳のあげ方、母乳育児の利点などについてレクチャーもある。産後の病室には、入室前からメデラ製の搾乳機が設置されており、搾乳キットが病院側から無償で提供された。
産後、母乳はもっと簡単に出るものだと思っていた。高齢のせいか、それとも体質のせいか、私は出産して2、3日たっても母乳は1滴、2滴くらいしか出なかった私は、ナースからは、3時間おきに授乳と授乳後は15分搾乳をするように言われ、26時間の長いお産の後、言われた通り、授乳と搾乳を繰り返した。
母子ともに2泊3日で退院させられるアメリカ
自然分娩の場合、特に何も問題がなければアメリカでは母子共に2泊3日で退院させられるのが普通だ。3855gと大きく産まれたわが子だが、難産で出産に時間を要したため、お産の際に私が発熱。出産後、息子は感染症の検査を受けるためNICUへ。NICUにいる間に息子の黄疸がひどくなり、彼を残して、私は先に退院することになった。
さて、ここからが大変だった。