「マタハラ」や「夫のリストラ」など、さまざまなきっかけ
日経DUAL編集部 前職と、転職をしようと思ったきっかけについて教えてください。
稲川さん(以下、敬称略) 新卒でMRを6年、その後広告代理店で営業を5年勤めました。上の子が3歳で2人目を妊娠中に、「まさか2人目を産んだあとに戻って来たりしないよね。一度休まれると仕事の勘を取り戻すのに時間がかかるんだよね……」と、営業部長から言われたんです。いわゆる“マタハラ”です。
結局そのときの子どもは流産してしまったのですが、社内では2人目を産むとほとんどのワーママが辞めていくのを見て、「ここでは働き続けられないな」と感じました。それが転職を決意したきっかけです。
小野さん(以下、敬称略) 新卒で、家電メーカーに入社しました。新規事業部で4年近く働いたのち、夫の地方転勤により退職し、地方で出産しました。夫が東京に戻ったタイミングで仕事に復帰しようと、転職活動をしました。
阿部さん(以下、敬称略) ブライダルコーディネーターをしていたときに妊娠したのですが、激務の職場には「妊娠したら辞める」という風土があったために一度退職しました。その後、同じ職場に、やはりブライダルコーディネーターとしてパートタイム社員で復帰。子どもが3歳になったときに「正社員になりたい」と伝えたところ「正社員の時短勤務は前例がないので無理」と言われたんです。
そして、同じタイミングで同じ職場に勤めていた夫がリストラに遭ってしまい、「私が正社員として別の職場に転職するしかない」と決意しました。ただし、仕事を続けていると面接にも行けず、その年の3月で退職。4月から転職活動を始めました。
ママでなくとも転職活動は大変。ましてや仕事と育児の両立に苦慮しながら活動をしたのに失敗してしまったら…。時間的・肉体的・精神的ダメージは大きい