ランチタイムが近づくとその日の食事が並び、子ども達は自分で量などを注文しながら進む
おなかがすいてきた子から「順次」ランチルームへ向かう
7年前に建ったばかりのさくらしんまち保育園の新園舎は、明るく広いエントランスで、高い壁もない開放的な雰囲気。入り口では優しくたたずむ木製のピノキオのような人形、この園のマスコット「ピッコロ」さんが出迎えてくれる。
そんな明るい入り口の低い木製の下駄箱の後ろに広がるのは、ランチルーム。緩やかなL字型で奥へと広がり、4~6人くらいが座れるテーブルがたくさん置いてある。
さくらしんまち保育園の給食は、全国から見学者が訪れるほど有名だ。それは、食育への取り組みが有名な給食だから。『偏食解消で大人気。さくらしんまち保育園の給食レシピ』という本も出版されているほどだ。栄養面で工夫がなされ、おいしいのはもちろんのことだが、秘密はどうやらそれだけではなさそう。
「この園の給食は、時間も量もみんな同じように食べるということがありません。全員が同じようにおなかがすいて、同じように好き嫌いがないわけではないですよね?」と小嶋泰輔園長先生が話すように、給食スタイルがとてもユニークなのだ。
給食はだいたい11時半ごろから1時くらいまでだが、おなかがすいてきた子から「順次」ランチルームへと向かっていく。先生が「ごはんだから片付けなさい!」「ごはんの時間よー!」と叫ぶ声は一切聞こえない。かといって、一人ずつばらばら食べているわけではない。その秘密を探ってみた。
食事の時間が近くなるとズラーッと今日の料理がビュッフェ台に用意される。子ども達はそこから「食事のサイン」を感じ始める