自分の子と同年代の子がモリモリと食べているのを見ると、うちの子は本当に食が細くて心配…。せっかく作った料理にも全く興味を示さず遊んでしまう…。そんな悩みを抱くママ達は意外と多いのでは? 今回は幼少期子育てのお悩みトップに入る「子どもの食の細さ」について特集を組みました。前半は、DUALの連載でもおなじみ、子育て学協会会長の山本直美先生を取材し、読者アンケート結果も交えながら小食の原因と対策をまとめました。
「いただきます!」と「ごちそうさま」が元気に言えたらいいのだけれど…(写真はイメージ)
食が細いわが子、ずっとこのまま小食でいいの?
「これまで多くの子どもを見てきましたが、食の細い子というのは毎年学年が移り変わるたびに必ずいます。そしていつの時代でも、子どもの小食は育児ママの悩み事のトップを占めるものです」と山本直美さんは言う。
「食が細い子のタイプは様々で、出された食事をあまり食べずに終えてしまう、食事に興味がなく違うことをしてしまう、食わず嫌いがある、などがあります。体質をとってみても、一度の食事では少量しか食べられない子や、食べなくても消化効率の良い子、そしゃくなどのペースが遅く食べ終わるまでの時間が長い子など様々です」
食が細い子の親として一番心配なのは、「それで成長に影響はないのか?」ということ。今回、読者を対象に実施した食が細い子どもを持つパパ・ママ向けのアンケートでも、小食で心配なこととして「栄養不足」「成長不振」「体力不足」などがトップに入っている。これらへの影響は心配しなくてよいのだろうか。
「身長や体重がたとえ成長基準の正常域に達していなくとも、右肩上がりになっていれば大丈夫です。私が見てきた子ども達の中でも、幼少期に本当に食べなかった子が元気に過ごして大きくなっています。食べる量に関して留意すべきことをあえて言うならば、子どもが普段食べられる量というものをママがきちんと把握し、特に食べなかったときや食べる意欲が感じられないときに、体調や健康状態を心配するというスタンスで大丈夫です」
山本さんは、食が細いことが大きな悩みの一つとなっている原因に、ママ自身の意識も関係しているという。
深刻に感じるのは成長基準として重視しているから
「幼児期~就学児(低学年)の子どもを持つ大半のママ達は、『食』というものに特に重きを置いて育児をしていることが多い。だから心配事としてもウエートが最も大きくなるのです。『体が急成長しているこの時期に、食べさせないと大きくならない』という責任感や『食べることは生きていく基本だ』という意気込みが大きいからこそ、気が狂うほど悩んでしまうこともあります。
別の言い方をすると、食は親にとって大きな安心の目安なんですね。体の成長や生きるということと、食べるということが、ものすごく密接な関係だから」
「でも、その悩みから解放されるときは必ず来ます!」と山本さん。そのターニングポイントは主に2つあるという。