実家から徒歩5分のところに家を購入
親と一緒に住むことを「同居」と言うのに対して、親の近くに住むことは「近居」と言われている。近居には具体的な時間や距離の決まりはないが、気持ち的に「必要な時に気軽に往復できる距離」と考えられている。一緒に住むのは抵抗があったり、家や広さの問題で一緒には住めないという人でも、近くであれば……と選ぶ人も。核家族化、個人化が進む現代ではあるが、実は高齢夫婦世帯から1時間以内の距離に子ども世帯が住む傾向は少しずつ増えてきているのだ。
祖父母の家から1時間未満の場所に住居を構える夫婦は年々増加している
棒田明子さん:NPO法人 孫育て・ニッポン 理事長。2児の母">
棒田明子さん:NPO法人 孫育て・ニッポン 理事長。2児の母
それでは、あえて親の近くに改めて引っ越した人々の決め手はなんだったのだろうか? 祖父母世代の孫への関わり、親世代と祖父母世代とのコミュニケーションの取り方などを長年支援してきたNPO法人 孫育て・ニッポンの代表、棒田明子さんをモデレーターに、実際に近居をしている4人に話を聞いた。
棒田明子さん(以下、敬称略) みなさんは現在、夫婦どちらかの実家のすぐ近くに住んでいらっしゃるということですが、近くに住もうと思ったきっかけを教えてください。
Yパパ 私の実家から徒歩5分のところに家を購入して住んでいます。決め手だったのは、両親が初孫だったうちの子を溺愛していたこと。妻の方の義理の両親にはすでに孫が何人もいて、妻の兄家族も義理の両親のすぐ近くに住んでいました。
一方、うちの父はいわゆる仕事人間だったのですが、孫と過ごしたくて、子どもが生まれた次の年に早期退職までしてしまったんです。『とにかく孫を連れてこい』といつも言うんですね。行けば近くに公園も多くて過ごしやすく、私の会社まで電車1本で行ける沿線だったこともあり、妻を説得して引っ越しました。