猫の姿や動作、シルエットが映える白い室内
石井さんは現在、14匹の猫と一緒に暮らしている。だが石井さんのお宅に上がってみると、リビングのラグに1匹横たわっているだけで、他に猫の姿は見えない。とても14匹の猫が暮らしているとは思えなかった。どうやら13匹は家の中の思い思いの場所でくつろいでいるらしい。見慣れない珍客がやって来たので、身を隠して様子をうかがっているのだろう。
室内はというと、床も壁もインテリアも白で統一され、吹き抜けのリビングが開放的な印象を与える。と、ここまではごく一般的な住まいだが、リビングの一方の壁にはボックス収納が階段状に設置され、もう一方には4段の棚板が互い違いに付けられている。だが、それらの「棚」には何も置かれてはいない。実は棚ではなく、猫が歩くためのキャットウォークなのだという。
壁一面にキャットウォーク用の棚が設けられた石井さん宅のリビング。棚には何も置かれてなく、モノはすべて扉付で収納されている
「猫達が自由に歩き回れるよう、行き止まりのないステップ状に棚を付けました。浴室とクローゼット、トイレ以外は、どこでも猫が行けるようにしています。テーブルやキッチンに猫が上がってきてもどかさず、ベッドが占領されたら私達はソファで寝ています」と、あくまでも猫を中心に家づくりを考えたと石井さんは話す。