両立パパが妻との関係で気を付けていることは?

 最後に「仕事と家庭のバランスを取るうえで、妻との関係で気を付けていることがあれば教えてください」という質問に対する、両立パパたちの答えが切実でした。

 「仕事の情報共有」「負担が集中しているなと感じた時は感謝を言葉で表す」「スイーツの購入」「怒らない。1日何があったかを尋ねる」「休日は、交代でジムに行く」「妻が1人になれる時間をなるべくつくる」「おざなりじゃない会話。少しでもいいから二人の時間をつくる」「何事にも文句を言わない」など、パパたちの気遣い、努力は言葉の端々から伝わってきます。回答の中から、いくつかピックアップしてお届けします。

■妻ともスマホアプリでスケジュールを共有、その日行けるほうが習い事に連れて行くようにしている。当日までどちらが習い事に連れて行くか分からないが問題なくさばけている。
■妻との間ではロジカルシンキングをしない(心がけてはいてもよく失敗する)。ストレスがたまったタイミングで、おいしい食事や旅行に出かける。常に対外的には恐妻家でいる。
■定期的に食事に誘い(3カ月に1度程度)、相手の仕事の忙しい度合いや家事・育児の課題を共有しておく。
■1.極力、週末は奥さんの予定を優先してもらう。友人とお出かけの予定があれば、子どもは自分が面倒を見て、奥さんを子育てから解放する時間をつくる(そうすることで、フレッシュな気持ちで子どもに接してもらう)。
 2.「子どもにおっぱいをあげる」以外のことは、なんでもトライする。家事には「残タスクがない状態」がほとんどないので、残タスクを探して「○○やってよ」と言われる前にやるよう心がける。
 3.誕生日や結婚記念日など、大切な日は二人だけの時間をつくる(子どもを託児所に預けてレストランで食事をし、プレゼントも用意する)。
 4.自分の給与明細は、奥さんに開封してもらう(常にオープンな姿勢であることを心がける)。
 5.奥さんのことはもちろん、奥さんの周りの人とも真摯に接する(奥さんの親、兄弟、親戚、友人、友人の旦那さん、友人のお子さん、会社の先輩等)。
 6.たまに自分も息抜きする(旦那が頑張りすぎるのもよくないので。一人でふらーっと飛行機に乗ってサッカーの試合を観に行ったり)。
■質問自体が妻が主力であることを前提としているが、男性の私が一般的な共働きの女性の役割を担っている自負があるので、バランスも何もそういうものであるという自覚しかない。多少、主力となっている者に対する感謝とかはしてほしいと思う。そういうことがあまり得意ではない妻なので、諦めている(理解している)。

 次回からは、仕事も子育ても効率よく、よい夫婦関係を築いている4人のパパに登場してもらいます。

 最初に登場するのはグーグル株式会社の里村明洋さん。6歳と3歳の男の子を育てる里村さんは「うちは家事も育児も仕事も完全にフェアな夫婦」だといいます。

 グリー株式会社の菅隆一さんは、3歳の男の子と11月に生まれたばかりの女の子のパパ。仕事でも家庭でも情報共有を徹底し、週1回、「家族戦略会議」を開いてロジカルに家庭内のタスクをクリアしているそうです。

 アクセンチュア株式会社の越智 聡さんは、9歳と6歳の男の子を育てながら夫婦関係向上のために共通の趣味を持つようになったといいます。越智さんは自らの仕事術を生かし、「女性支援活動(Work Smarter!)」も行うツワモノです。

 最後に登場する清田いちるさんは、子どもができる前までは、ダブルワーク、トリプルワークも厭わない、超が付くほどのワーカホリックでした。今は夫婦ともに「優先順位は1位は子ども」と決めて、徹底的に仕事ダイエットをしているといいます。

 まさに「DUALパパ四天王」と呼べるこの4人の両立のコツを、共有していきたいと思います。

(ライター/山田真弓)