「おしっこの間隔が2時間空く」は体が発達したという目安
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2歳の夏がトイレトレーニング開始のチャンス――。こんな話を聞いたことはありませんか? そうはいっても、子どもの発達には個人差があるのに、一概に年齢や季節で区切っていいものでしょうか?
「トイレトレーニングを開始するベストなタイミングは、おしっこの間隔が2時間空いたらと私は指導しています」と話すのは、昭和大学藤が丘病院で小児の排尿外来を担当している池田裕一医師です。
「トイレトレーニングのスタート時期を年齢ベースで考える人が多いですが、それがその子にとって適切でない時期に始めてしまうという事態を招いています。時期が早過ぎると、かえっておむつが取れる年齢が遅くなるという研究報告もあるんです」
ではなぜ、「おしっこの間隔が2時間空いたら」なのでしょうか。まず、おしっこが出る仕組みを先生に教えてもらいました。
腎臓で作られたおしっこが膀胱にたまると、その信号が脊髄を通って大脳に伝えられ、尿意を感じます。
大脳がおしっこをためるか出すかの判断をして、出すとなれば、今度は大脳から膀胱に指令が伝わり、膀胱を収縮させて出すというメカニズムです。同様に、大脳がおしっこを我慢するという信号を送れば、尿道をキュッと締めておしっこを我慢することができます。「おしっこを出す、我慢する」という仕組みは、意外と複雑です。
赤ちゃんのうちは自動膀胱といって、膀胱におしっこがたまれば自動的に排出されますが、2歳くらいで大脳機能が発達してくると、大脳の制御機能が働いて、我慢できるようになります。同時に、膀胱も発達して大きくなるので、ある程度の量のおしっこをためることができるようになります。
「おしっこの間隔が2時間空くということが、体の発達の目安なのです。大脳機能と膀胱の大きさの発達具合を考えると、一般的には2~3歳くらいでトイレトレーニングを始めるのが理にかなっているといえます。繰り返しになりますが、2歳前に開始すると、体に無理な負担をかける可能性があり、おむつ外れが逆に遅くなることもあります」(池田医師)
それでは、実際に何をどうしていけばいいのか、先生のアドバイスに基づきながら役立つノウハウをご紹介します。