壁という壁にホワイトボード
次に「ホワイトボード」。ショーケース・ティービーでは社内で多くのホワイトボードを活用している。その総面積は約75平方メートル。執務スペースや会議室など、部屋の壁はホワイトボードになっており、連絡事項をシェアしたり、壁の前で話し合ったりできる。壁などに貼り付けられる、ホワイトボードの役割を果たす「白いシート」も大活用。貼って書き込み、違う部屋などに運ぶこともできるアイテムだ。
「何かを話し合う必要があるとき、ホワイトボードのある壁の前に集まって、図にまとめながらささっと15分ほどで打ち合わせができます。情報が見える化するので、自然に意見も出やすくなります。またアイデアは豊富なのに、対面の会議だと発言するのが苦手な人でも、皆がホワイトボードという一点を見ている状態だと、自然に言葉が出やすいのです」(永田さん)
会議だとどうしても、あらかじめ各人の時間を確保して、その時間中は会議を続ける…という状況になる。開催までにタイムラグが発生するほか、開催時間も長くなりがち。ここでも数十分の効率化が図れることが多い。
ホワイトボードの前で打ち合わせした後は、その図やメモをスマホで撮影し、後で見返したり回覧したりする。これが3つ目の「スマホ」の活用だ。ショーケース・ティービーでは、スマホ向けの商品などを提案していることもあり、全社員にスマートフォンを支給している。
このような取り組みにより、同社の離職率は、2012年の20%から、2015年には10%強に減少。思考塾や社内大学を開催し、「ビジネスに役立つことを学びたい」という社員の意欲に応えたほか、結果として業務が効率化し、仕事と私生活のバランスが取りやすくなったためではと永田さんは分析する。