水族館では親自身の体調も気にかけて
子どもも大人も楽しめる施設として、人気の高い水族館。ほとんど屋内なので天候に左右されることもなく、充実したショーやプログラムを楽しめます。まるで自分も海の中に潜り込んだように感じられるダイナミックな展示の数々に、心も体もリラックス……そんなゆったりとした空間に感じられる水族館には、意外な落とし穴があります。
「水族館はほとんど室内で過ごしますし、思いっきり体を動かすわけでもない。でも、実はとっても体力が要るんです」
と語るのは、『つまき♪式 親子で楽しむ水族館ガイド』の著者である、つまき♪さん。国内外235カ所以上の動物園や水族館を訪問しているというつまき♪さんは、たびたびケンカしている親子に出くわすそうですが、その理由は「子ども以上に親が疲れているから」と指摘します。
三澤はじめさんの作品(オオサンショウウオ)と写るつまき♪さん
「疲れからイライラして親子ゲンカを引き起こすのは、実は親のほうが多いんです。水族館は、閉鎖空間に大勢の人がいたり、ショーの開始までの待ち時間が長かったりと、案外疲れやすい所。こまめに休憩を取りましょう。また、子どもがいると荷物が多くなりがちですが、財布と携帯と飲み物以外を思いきってロッカーにしまうと、身軽になるのでとってもおすすめですよ」(つまき♪さん)
また、水族館に行く前に思い出したいのが、子どもは「生き物を見る」のがうれしい以上に「親と何かを経験する」のがうれしいということ。
「子どもにとっては、親8割生き物2割! 生き物について詳しくなくてもかまいませんから、一緒に興味を持ち、一緒に楽しんでください。あくまでも、子どもにとって主役は親なんです。一人で見に行かせる、スマホをいじってばかりというのはNGですよ。また、ついあのショーも、このプログラムもと欲張りになりがちですが、そのために疲れたり、親子の時間が減ったりしては本末転倒。今日はここのエリアだけ見られたらOKなど“一度に全部見なきゃ損”と思わない、心の余裕が大事です」(つまき♪さん)
また、子連れでの水族館は、訪れる時間も重要。乳児・幼児を連れていく場合は午前中、小学生を連れていく場合は午後に行くのがいいそうです。
「小さな子どもはすぐに疲れてしまうのと、ペンギンなど人気の高い水槽はすぐに混み始めてしまいますから、早い時間に行きましょう。一方、自分で飼育員の人に質問できる年齢になったら、飼育員さんに質問に答える余裕が生まれる午後がおすすめです。実は、水族館では、午前中に水槽の掃除や、ごはんの準備をしなければならず、とにかく忙しい。イベントが午後に多いのもそのためなんです」(つまき♪さん)
飼育員は水生生物のプロフェッショナル。子どもがふと出した疑問などはそのままにせず、一緒に飼育員に尋ねてみましょう。新たな知識が増え、親子の絆もきっと深まりますよ。