工場見学は事前の下調べが何より大事
普段何気なく使ったり、食べたりしているものはどうやって作られているのか? そんな疑問に答えてくれる工場見学。食品から文房具、自動車など様々な工場がありますが、全国の工場見学できる施設を紹介するウェブサイト「全国工場見学ナビ」を運営する、学研キッズネット編集長の船城英明さんは工場見学に行く前に「どんな目的で行くかを明確にすることが重要」と言います。
「近年は博物館やゲーム要素のある展示を併設した、親子向けの工場見学も増えてきました。こういったところは楽しい半面、ただ『楽しかったね』というだけで終わってしまうことも。ただレジャー目的で行くのであればそれでもかまわないのですが、小学校の中~高学年くらいであれば、事前に工場で作っているものについて下調べをして行きましょう。その過程で疑問点も多く出てきますし、社会学習や自由研究にもつなげることができるはずです」(船城さん)
小学生では学習につなげやすい工場見学ですが、一方で工場の仕組みがまだ理解できない幼児を連れて行く場合、どんな工場がおすすめでしょうか。
「例えば車が好きな子であれば車の工場、甘いものが好きな子であればアイスの工場など、子どもの好きなものを作っている工場に行ってみましょう。何をしているか理解できなくても、間近で好きなものができあがっていく工程を見るのは思い出に残るものです」(船城さん)
伯方の塩の大三島工場。どの家の食卓にもある塩が山のようになっている様子は工場ならではのスケール感
工場で見るべきものを決めたら、今度は気を付けるべきこともチェックしておきましょう。動物園や水族館といったレジャー施設とは違うため、意外なところにチェックポイントがあります。
「見学ルートに段差があったり整備されていない場合も多いので、ベビーカーが使えるかどうかは事前の確認が必須です。サンダルやハイヒールではなく歩きやすい靴で行くようにし、特にお母さんはヒラヒラしたり、余計な飾りが付いていない服装で行くようにしましょう。工場見学はガラス越しに見る場合が多いですが、間近で機械が動いているのを見られる場合は、機会に洋服が巻き込まれる危険があるからです
また、火を使っている作業場は暑いことがあるので、温度調節がしやすい服装がおすすめです。水分補給も忘れずに。
それと、あると意外と重宝するのが双眼鏡。動いている機械の近くまでいけない場合や、手前と奥で違う作業をしている場合も多いです。奥の作業が肉眼ではよく見えないこともあるので、持っていくと便利ですよ」(船城さん)
最後に、ゴールデンウイークや土日に工場見学に行く場合、平日に行けない人が集中するため混雑が予想されます。予約制のところは数カ月前に満員になってしまうこともあるので、現地に行ってから入れなかった! ということがないよう事前にホームページなどで確認しておきましょう。
以上が、動物園、遊園地、水族館、工場見学のおでかけのコツでした。明日からは、実際におすすめのスポットをテーマ別に紹介していきます。
(取材・文/丹羽篤志、淺野光穂、二川智南美、小沼理=かみゆ)