陸上の環境にまで気を配った、海沿いに建つガラス張りの水族館
アクアマリンふくしまは、全館ガラスで覆われた、外観から印象的な水族館。ここの特徴は、なんといっても展示の仕方。水中の環境だけでなく、陸上の自然環境まで忠実に再現しており、水槽の境目が分からないくらい草木が豊富。
とにかく草木が豊富! 地上の自然環境もおのずと知ることができる
「一目で環境学習ができるのに加え、全身で自然を体感できるのがポイント。例えば『ふくしまの川と沿岸』という展示スペースの屋根は透明なガラス、側面は空いており、外気や外光がそのまま取り込まれるため、福島の自然を肌で感じ取れるんです。雨の日でも気にせず楽しめますよ」(つまき♪さん)
こうした展示にしているのは「水中だけでなく、陸上の環境も整えることで、この生き物はこんな場所に住んでいるんだ、この場所を作るためにはこんな環境が必要なんだ、という双方向から捉えられる」(アクアマリンふくしま 広報担当の金成さん)からだといいます。
また、ガラスが足下まで届いているのも特徴。目線の低い子どもでも、水槽内を隅から隅まで観察できます。
「『サンゴ礁の海』では、ぜひ水槽前の床に座って、じっくりと水槽を眺めてください。上部から光が差し込む水槽は、見上げると、まるで海の中にいるかのような光景が広がります」(つまき♪さん)
「サンゴ礁の海」。自分も魚になったかのような気分だ
思わずカメラを構えたくなる光景ですが、つまき♪さんによると、水族館で記念撮影を…という場合にはポイントがあります。
「まず、水槽前以外で行うようにしましょう。水中生物は動きが速いので、フレーム内に姿がきれいに収まることはまずありませんし、館内は暗く、逆光になります。ゆっくり観察している人の邪魔にもなってしまいます。また、フラッシュは厳禁。魚が驚いてしまうのと、ガラスに反射してしまいます。それよりは、夢中になっている子どもの後ろ姿を遠目から撮るだけでも、十分思い出深い1枚になりますよ」(つまき♪さん)
福島県沖は、黒潮と親潮の合流地点なので、それを表現した「潮目の海」という展示スペースも。回遊魚を展示する黒潮水槽と海藻が茂る親潮水槽を、トンネルを通りながら見比べられます。さらに、アクアマリンふくしまでは図書コーナーも用意しているので、「なぜだろう?」と思ったことがあったら、一緒に答えを探してみるといいでしょう。
また、施設の外には小川や、干潟、磯があり、水に入って生き物を探して捕まえられます。こうした体験は、環境保全意識につながるのだとか。ゴールデンウイーク中は、貝を見つけると景品をもらえる「お宝ハンター」「ハマグリ探し」などのイベントも開かれます。