医者にも専門領域があります。肌が荒れているのは内臓に原因があるとしても、診察した医者がその専門でなければ、違った診断をされることがあります。お医者さんって、診察の最後に「よくならなかったらまた来てくださいね」と必ず言うじゃないですか。あの一言で保険をかけているわけです。
一方で患者の心理としては、治らなかった場合にもう一度病院に行こうとか、別の医師に診せようとは、なかなか気持ちが動きません。1回診断を受けたわけだから、「そうなんだ」と思い込んでしまう。
こういう“決め付けてしまうこと”って非常に危険だと思っています。
わが家ではこんなことがありました。
少し前に、娘の耳の奥に固いものが詰まっている感覚があると、妻が娘を連れて耳鼻科を受診しました。すると、娘の耳から石灰化した大きな耳あかが出てきたそうです。石灰化に至った経緯を聞くと、妻は「子どもの耳あかは自然と処理されるもの。だから取り除く必要はない」とある医者から聞いたそうなんです。妻はそれを信じて守っていました。
耳の奥に固いものがある気配に気づいてからも、「自然と排せつされると医者が言っていた」とそのままにしていました。でもやはり気になる、とついに見かねて専門医に見せた。すると石ころのような耳あかがごろっと出てきた。
「子どもの耳あかは自然に排出される」との情報は一体何だったのか? という話ですよね。
つまりは、どこまでいっても絶対的に正しい情報はないということ。数あるケースのなかから、取捨選択することを求められているわけですね。そんなリサーチ力を高めるために、僕はネットを重要視しているんです。
情報があふれる現代だからこそ、親には幹が要る
とはいえ、ネットから得る情報はあくまでもトラブルシューティングだけです。この病気に関してはどういう見解があるのかとか、トラブルが起きたときの対処方法など、具体的な問題があってその解答があるものに対してしか求めていません。