「まだやりたい仕事がある。娘の成長を支えたい」と決意
組織を辞めたママたちに会ってみると、意外と悲壮感がありません。自宅での仕事を計画したり、起業を考えていたり。逆に組織のほうが、優秀な人材を手放してしまったのでは…と思いました。
実績あるママがキャリアを生かすためには、漠然とした施策を打ち上げるより、ちょっとした工夫があればいいのに、と思います。短時間や在宅の勤務でも、成果が上がれば認めてほしい。産前産後も、得意な業務を続けたい。組織を辞めてもフリーランスとして登録した人に、仕事を発注する仕組みを。仕事量や適性に合わせた、再就職の制度があれば―。
「私のキャリア、どこに行っちゃったの?」
「収入のために会社を辞めないほうがいい」
「第2の仕事人生を始めるなら、今しかない」
葛藤している最中、体調が悪くなり、重い病気だったらどうしようと悩みました。いやいや、まだやりたい仕事がある。娘の成長を支えたい。子どもの成長とともに、人生は、あっというまに過ぎていく。無事でいられる「有り難さ」に、改めて気づきました。
やりたいことを、やってみよう。フリーランスとして、いくつかの仕事をする。やっていくうち、何かに集中することもあるだろうし、違った形で組織に関わる機会があるかもしれない。そんな構想が浮かんできました。
先日、がん検診と胃の内視鏡検査を受けて健康を確かめ、初めての退職願を出しました。新しいスタイルの仕事を始めます。娘はまだ4歳。やりすぎたり、仕事が少なくてあせったりすることもあるかもしれません。20年のキャリアは、生かせるでしょうか。自分で操縦して、離着陸を繰り返しながら、進んでみます。