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「夫婦ともに正社員であれば、基本的に医療保険は要りません。公的な健康保険には『高額療養費制度』もありますし、会社員の組合健保、協会けんぽには、国民健康保険にはない『傷病手当金』もあるので、治療が長引いて休業しても、収入がすぐにゼロになってしまうということはないからです」(ファイナンシャル・プランナー内藤眞弓さん)
「医療保険は入院1日5000円といった入院保険金が出るのが特徴ですが、今は病院側も入院日数を少なくしていく方針です。そもそも若い世代が、大病以外で長期入院するのは足の骨折くらいです」(ファイナンシャル・プランナー深野康彦さん)
ではなぜ医療保険は人気なのでしょうか? 深野さんは「そもそも大病するとは思っていないところに病気が発覚して、医療費を支払わなくてはならなくなる。予期せぬお金の支出は、精神的なダメージになってしまうため、『そんなダメージは負いたくない』と思って医療保険に加入します。万一、大病をしてしまった際に『医療保険に入っていてよかった』となるわけですが、そもそも、それまでに保険料を払っていることに着目しなければなりません」と言います。
医療保険で、払った保険料以上に保険金をもらう、いわゆる「元を取る」にはかなりたくさんの入院、手術をしなければならず、実際に自分がそのようなケースの当事者になるのは、「確率的に非常に低い」(深野さん)ものです。
「これは意識の問題です。医療保険に入ったと思って、預金口座の一つを医療費用の口座と決め、積み立てておく方法もあります。使わずに済んだら、老後資金にすればいいわけですから」(深野さん)
「そもそも、病気にならないように生活しながら医療保険に入るのって、すごい矛盾だと思いませんか? 年齢を重ねると病気がちになりますが、健康を守る意識は高齢になると高まります。医療保険に入るのか、体にいい食事やスポーツジムにお金をかけるのがいいのか。自分の価値観で考え直してみるのがよいのではないでしょうか」と深野さん。
会社員同士の夫婦には、基本的に医療保険は不要です。ただ、病気の中でも、最近は治る病気とされてきたがんは、治療が長期化することで知られています。
病気になる確率としては、がんにかかる確率が高まるのは60歳以降です。しかしリタイア後の場合は、主な収入は年金なので、収入そのものが下がる心配はありません。ところが現役世代の場合、公的な健康保険の高額療養費などがあっても医療費が積み重なる、働ける日数が減って収入が下がるなどで家計にダメージを与える場合があります。
「がん保険の多くは『診断給付金100万円』といった、まとまったお金が入るのもポイントです。経済面のリスクを考えたとき、がん保険に入る選択はあってもいいと思います」(内藤さん)
深野さんも「 いわゆる『がん家系』であるなど、心配な人は医療保険ではなく、がん保険に入っておく選択肢は有効だと思います」。
しかし、数多くあるがん保険の中でいったいどの商品を選べばいいのでしょうか? 内藤さんに「これぞ!」というお薦めのがん保険を3つ伺い、それぞれの商品の特徴も分かりやすく説明してもらいました。ぜひご参考に!