「2人目を産んで子育てが少し楽になり、3人目は本当に楽しめました!」
アグネス ええ、家族の太陽になりますね、末っ子が。要領がいいので、すごく癒やしになるし、若返るし。
―― 日本で3人きょうだいは珍しいですが、世界では3人が普通な国なほうが多い。日本の出生率は今1.46(厚生労働省発表、合計特殊出生率2015年)なので、少ないですよね。
アグネス 子どもが1人だったときが、一番大変に感じました。いつもママ、ママで、子離れ・親離れができなくて。1人増えたら、上の子も見方が変わってたくましくなり、親も少し落ち着きます。
―― 興味が分散して、集中し過ぎない(笑)。
アグネス 成功と失敗をその子1人だけにかけてしまうとすごいことになっちゃいますからね。私は2人目を産んで少し楽になって、3人目は本当に楽しめました。私も最初は2人でいいと思ったけれど、3人目は得ですよね。
スタンフォードに入ってもお兄さん達のアドバイスを全部受けたりして、たぶん一番有意義にスタンフォードで過ごしていると思うんです。いまだに同じ先生がいたりして、これはいいとかよくない。これは難しいから頑張ばらないと、とかアドバイスを受けられて、三男はすごく得しています。
3人小中学校時代、15年以上毎日「インスピレーション弁当」
―― 忙しい中でも、お子さんと過ごす時間はどのようにつくっていらっしゃったんですか。
アグネス 子ども達との時間を少しでも長く取るために、宅配サービスを利用してスーパーに行く時間を節約し、洋服は通販で、美容院では髪を切るだけで、シャンプーもブローもしませんでした。子どもが寝るまではとにかく遊んで、眠ってから自分のお弁当や仕事の準備。料理も炊飯器をかけたらごはんが炊き上がる前にはすべて料理ができるくらいレパートリーも増えましたし、色々効率的に動ける人間になりましたね。
あとは優先順位をつけて。もちろん勉強もしましたけれど、私は子どもと一緒にいる時間と食事、遊びというのがトップでした。でも、その他のこと、例えば服をアイロンがけするのはやめましたし、出かけるときに化粧するのもやめて、テレビ局に入ってからするとか。やらなくていいことを全部省いた代わりに、自分時間は子どもと一緒の時間と思ってすべての時間を子どもに使いましたね。子どものお弁当は、見た目にこだわったらすごく時間がかかるので、アイデアで勝負です。クレープ弁当とかお茶漬け弁当とか、周りのみんなが面白がる名物弁当。学校までは自宅から歩いて行けるから、朝7時半に出ればいいんです。私は朝6時に起きて朝ごはんをまず作って、子どもがごはんを食べている間にお弁当をまとめて、っていう感じでしたね。
―― クレープ弁当にお茶漬け弁当、一体どんなお弁当なんですか!?
アグネス お茶漬け弁当は冬のメニューなんですが、小さな魔法瓶にお茶とか出汁を入れて、別のお弁当箱にごはんとシャケとふりかけなどトッピングを入れるんです。それで魔法瓶のコップの中にごはんを自分で入れてトッピングとだしを入れて食べる。ずずっと音を立ててすするから、先生やみんなが集まって見に来たっていう(笑)。クレープ弁当は、クレープを焼いて、別の器に具を入れたり、野菜入れたり。それで、周りの子とおかずを交換したり、から揚げをもらったりしながら、自分でクレープを広げて具を巻いて食べるらしいです。
―― わー、ランチタイムがとっても楽しそうです。
アグネス 楽しむんですよね、子どもが。もうすぐごはんだ、見せたいなみたいな気持ちになれたらいいなと思って、お弁当を作るときは必ず1個「おぉっ」ていうのを入れるといいと思ったんです。手紙を書くお母さんもいるじゃないですか。私の場合は開けたら「おおっ」ていうのを。
―― お弁当作りは、毎日ですか。
アグネス 病気になったとき半年間は作れなかったけれど、そのときは夫が作ってくれました。3人いるから、15年以上毎朝です。冷凍食品やインスタント食品は大人になったらたくさん食べると思うから、成長期だけはやめようと、そういう意味でも努力しましたね。今日はようかんが1個入っているとか、ちっちゃなことですけど、毎日楽しみを必ず入れて、今考えるとよくやったなぁと。でも、あっという間でした。
―― アグネスさんが3人目を出産されたのはいつですか?