ポリ袋の中で根気よくコネコネと混ぜる
伊藤 早速始めましょう。最初に粉類をポリ袋の中でまんべんなく混ざるようにします。粉類は製菓用米粉と片栗粉と粉寒天。製菓用米粉は粒子が細かくて、食感が良くなります。片栗粉と粉寒天も、やはりサクサクとした食感を出すという役割があります。
ここに油を加えて、ひたすら袋の上からもみます。油は、圧搾搾りか一番搾りの菜種油を使っています。粉の表面に油をまぶすようなイメージで。米粉に含まれる米でんぷんが余分な水分を吸わないようにするのがポイントです。水分を吸ってしまうと、焼き上がりがとても硬くなってしまうのです。
それから、メープルシロップを加えてさらにポリ袋の上からよくもみます。どんなによく混ぜても少しキシキシした手触りです。これを3等分して、野菜パウダーを加えて3色にします。黄色はカボチャパウダー、紫のムラサキ芋パウダー、そして緑はホウレン草です。国産野菜100%のものです。
左/粉類はすべてポリ袋を使って混ぜ合わせる。右/メープルシロップを加える
―― そしてまた、よくこねるんですね。
伊藤 そうですね。ちゃんとこねて混ぜておかないと、焼いたときにムラになってしまいます。この野菜パウダーが、油とメープルシロップを吸ってのりのような役割、粉類をくっつける役割を果たすわけです。それでは、麺棒で生地を伸ばしましょう。
―― 両脇に置いた割り箸は、何のためですか。
伊藤 均等な厚さに伸ばすためです。普段はこんなに丁寧にしないんですけど、3色違う色のものだと火の通りが微妙に違います。そのうえ厚さまで違うと余計に焼き上がりにばらつきが出てしまうんです。5ミリくらいの厚さに伸ばしたら、型を抜きます。
生地は少し崩れやすいので、型を抜いたらそっと並べていきます。170℃に温めておいたオーブンで13~14分ほど焼きます。
左/おしゃべりをしながら、手の中で生地をよくもんで、こねる。感触は小麦粉や卵を使ったクッキー生地と少し違って「ずっとキシキシとした感じです」と伊藤さん。右/両端にお箸を置くのがコツ