いくつ食べても体重が増えない理想のクッキー!?
キッチンばさみでマシュマロを小さく切って、焼いたクッキーの上にのせていく
―― クッキーが焼き上がりましたね。ちょっと和菓子のようなかわいらしさです。
伊藤 このままで食べてもおいしいですが、今日は、マシュマロサンドにしてみましょう。マシュマロを適当な大きさに切って、まだ温かいうちに半量のクッキーにのせ、オーブンに戻します。余熱で1分ほど温めたらマシュマロが少し溶けますから、その上からもう1枚のクッキーをのせると出来上がりです。
―― マシュマロを挟んだクッキーがサクサク、ホロホロですね! しかも緑のクッキーはホウレン草というよりは、まるで抹茶のクッキーのような味がします。うーん、これはいくらでも食べられそう。
伊藤 おやつの書籍を作っている間は本当に毎日試食の連続で、いくつもいくつも寒天入りのクッキーを食べるんです。でも、不思議と体重は増えませんでしたよ!
―― それはいいことを聞きました。これは本当に手が止まりません。ちょっと意外なのが、クッキーがちゃんと甘いことです。甘味はメープルシロップだけなのに?
伊藤 バターを使うと甘さが相殺されてしまうのですが、組み合わせるのが菜種油と野菜パウダーだと、メープルシロップだけでもしっかりと甘く感じるんです。
このクッキーは冷めてから冷凍しておくと、また違った食感が味わえるんですよ。うちの子どもは凍らせるとマシュマロがサクサクしておいしいと言います。冷凍庫から出してすぐに食べられるんです。味の劣化も少ないのは米粉のクッキーだからこその利点です。
遺伝子レベルのことまで気にかけながら野菜を選んでいた
―― お子さんが生まれる前からこうしたお菓子作りは好きだったのですか。
伊藤 子どもが生まれる前の私の食生活はひどかったですよ! ほとんど外食ですし、チョコレートが大好きで、チョコとコーヒーは日に何度も取っていました。何度かの流産を経て奇跡的に息子を妊娠した後、つわりがひどかったのですが、カステラと牛乳だけは食べられたので、そればかり食べていました。あとはゴマが体にいいといわれて、トーストにゴマペーストを付けて食べていました。
そうした私の食生活の悪い部分が息子のアレルギーになって出てきた、と感じました。母親の食生活が子どものアレルギーに直結して影響するわけではないというアメリカの臨床研究もあります。でも私の実感は、自分が食べたものが息子にアレルギーとして出ちゃったなというものでした。
それで、息子に申し訳なかったという気持ちもありましたし、あまりに食べるもののことを気にしなかったし、同じものばかりを食べ過ぎたという反省から、色々な食材に目を向けるようになりました。
―― 上のお子さんが生まれてからは、食卓はどう変わったのですか?
伊藤 季節のもの、日本で昔から食べられてきた野菜を意識して食べ始めました。大根というと東京では青首大根がほとんどですが、紫色をした紅芯大根など日本にはもともと色々な種類の大根があるんです。そんなふうに同じ大根でも違う土地で取れたものを子どもに食べさせるようにしました。
アレルギーがある人は、ない人もですけれど、同じものばかり食べない回転食が本当はいいんです。もちろん色々な種類の大根を食べさせるのは、厳密な意味での回転食ではありませんが、遺伝子レベルでは多少違うだろうから、同じ青首大根ばかり食べるよりはいいかなと考えていました。サツマイモでも、コガネセンガンとかベニアズマとか種類がいっぱいあって、味も色も食感もそれぞれ違いますよね。それはどこか遺伝子が違うからで、そんなふうに遺伝子の違いを気にしなきゃならないくらい、息子はアレルギーがひどかったということです。