※DUAL特選シリーズとして、2016年7月の記事を再録してお届けします。
海外へ持っていく現金の平均は17万円。盗難リスクを軽減するために
「以前、VISAからの委託により調査会社シタシオンジャパンが行った調査によると、子育て世帯が海外旅行に持ち込む現金(※)の平均は17万円という結果がありました(調査は2012年2月24日~27日実施/(※)現金=日本円と現地通貨の合計)。私の場合は、できるだけ最小限に10万円くらいを持って行くようにしています」とはファイナンシャル・プランナーの花輪陽子さん。
現金は盗難の被害に遭っても保険の携行品損害対象にはならず、持ち歩くのにはリスクを伴います。
「日用品やお土産などのショッピングはクレジットカードで支払ったり、現地通貨でも預金が引き出せる銀行で口座を開設しておいたりして、現金は必要最小限に抑えるのが賢い選択です」
現地通貨の主な調達の方法としては、クレジットカードの海外キャッシングサービスのほか、日本の銀行の円預金口座から現地通貨を引き出すことができる「国際キャッシュカード(インターナショナル キャッシュカード)」の利用。そして、後払いではなく支払い時のレートで日本の銀行の預金口座から引き落とされる現金感覚のカード「Visaデビットカード」があります。
「インターナショナル キャッシュカード」は、現在、SMBC信託銀行プレスティアと新生銀行で申し込みが可能。一方、Visaデビットを発行しているのは、りそな銀行、三菱東京UFJ銀行、スルガ銀行、ジャパンネット銀行、楽天銀行、イオン銀行など13の銀行。それぞれ定められた為替レートに加えて、所定の手数料を上乗せしたレートで円に換算されます。
旅を成功させるには、お金や病気などリスク対策も大事※写真はイメージ
海外旅を快適に支えるクレジットカード、賢い利用のコツ
「海外でのクレジットカード使用はなんとなく不安。現金やトラベラーズチェックのほうが安心」というのは過去の話。今はポイント還元や旅行保険の付帯があったりなど、使い方次第で、現金よりも『安心・安全・お得』に使えます」とは花輪さん。
クレジットカードで買い物をしたときに心配になるのがレート換算ですが、「翌月1回で一括返済するなら、JCBやVisaなら手数料は1.6%前後で済み、クレジットカードのポイントは使用金額の0.5〜1%であることが多いために、ポイントとの差額を考えると、より安い手数料で利用できる感覚。現地で現金に両替する手数料はもちろん、インターナショナル キャッシュ カードやデビットカードよりもおトクになるケースもあります」と解説します。
Visa、マスターカードはどこの国でも使える範囲が広いですが、アメックスやJCBカードは使えない場合も。盗難されたときのことなども考えて、違うブランドのカードを2枚持って行くのが安心です。便利なクレジットカードですが、使い過ぎには注意が必要。無駄な出費を防ぐために、レシートは捨てずにしっかりと保管し、計画的に使いたいものです。
「旅にかけられる総予算は各家庭それぞれですが、自分の家庭がレジャーにどれだけの費用をかけられるか把握することが大切です。ボーナスなど特別な収入の中から『特別費』として考える場合は、車や住宅のローンなどの固定支出を先に差し引いて、最低限1~2割は貯蓄に回しましょう。現地でのアクティビティーやショッピング、お土産代は、あらかじめ夫婦で決めた予算の範囲内に抑えてくださいね」(花輪さん)
子連れ海外旅として人気のハワイも、ほとんどのスポットでクレジットカードの利用が可能。滞在中に必ず行きたいスポットでカードが使えるかどうかをあらかじめ調べておくことで、現地でどのくらい現金が必要となりそうか、より具体的にイメージできます。