乳児クラスでは、昼休み中でも子ども達が泣き出せば、休憩はもちろん中断
東京都内の認可保育園に勤める保育士の石川怜子さん(仮名)
―― 保育士さんの仕事は、子ども達と向き合うだけでなく様々な業務があり、休み時間さえ取りづらいという印象があります。実際はどうなのでしょうか? 特に乳児クラスの担任の先生は、いつも園児を抱っこしなくてはならず気が抜けないのでは? トイレに行けなくて膀胱炎になった……なんてことはありませんか?
石川 そこは「健康第一」で無理をせず、「もう限界だからちょっと代わってもらえる?」と言ってお手洗いに駆け込んでしまうことも(笑)。乳児は複数の保育士で担任しているので、お互いに声を掛け合っています。でも、思い通りに休息を取るというわけにはいきませんね。
加藤 それでも乳児クラスは保育士だけで昼食を取る時間が設けられているので、その時間は休息は取りやすいとも言えます。
石川 そうですね。保育士自身の食事と休憩を合わせて1時間ほど、子ども達のお昼寝中に交代で休みます。その間は、私の園では連絡帳の記入などの作業はせず、保育から離れてホッと一息つく時間になっています。もちろん子ども達の安全確保が第一ですから、お昼寝中に子ども達が起きて泣いてしまったりした場合は休憩は中断。前に後ろに子どもを抱っことおんぶして、一人で2人の子どもをあやすこともあります。
―― 3歳以上の幼児クラスになると、先生も園児と一緒にお昼を食べますよね? 自分の休憩時間は取れますか?
加藤 取れません。子ども達が昼寝をしている間が、唯一保育から離れる時間ではありますが、そもそも子ども達はすぐには寝ませんし、昼寝の時間も乳児より短くなります。子ども達が寝ている間も、行事の準備など何かしらの打ち合わせが入ったり、翌日の保育の準備に追われたりしているのが実情です。休憩時間は皆無だと言ってもいいかもしれません。