祖父母との親密なコラボが、建てるとき、住んでからの満足度に大きく関わる
はじめての家づくり。何をいちばんに考えますか。立地、間取り、外観デザイン、価格、環境性能?
もちろん、それらもとても大事なことです。でも家族が気持ちよく暮らし、働き、安心して子どもを育てられる家づくりには、もうひとつの視点が必要になります。それは、実家の祖父母との距離です。
共働きの夫婦であれば、育児サポートを祖父母に頼る機会もあるでしょう。その際、実家から家までの移動時間の差によって、受けられるサポートの頻度や内容が大きく異なることが、旭化成ホームズの調査で明らかになっています。
住まいの場所決定理由(近居・子世帯夫回答)。
育児サポートを考えて、通勤や通学の便よりもお互いの実家との近さを優先する。そんな共働き家族が増えています
ヘーベルハウスで知られる同社は、1975年に二世帯住宅を発表し、二世帯住宅研究所を1980年に設立するなど、二世帯住宅のパイオニア。親子同居の住まいで培った豊富なノウハウを、イマドキの「近居」や「遠居」の家づくりに生かすべく、さまざまな研究を進めています。
ちなみに「近居」というのは実家から15分圏内、「準近居」が15分〜1時間、「遠居」は1時間以上の住まいを指します。
同社の「共働き家族研究所」の調査によれば、「近居」で受けられる育児サポートは約7割、「遠居」の場合は約4割。「遠居」でも何らかの支援は受けられるものの、距離が遠いほどその頻度にはどうしても差が生じてしまいます。
ママの実家との距離と子育てサポート頻度(フルタイム共働き)。実家まで15分圏内の「近居」は約7割、1時間を超える「遠居」は約4割という数字に着目。祖父母との距離が近いほど密接なサポートを期待できます
またその協力度合いは、祖父母に家づくりの相談をする時期によっても変わってきます。調査によれば、早めに相談するほど両者の関係はぐっと良好になり、頻繁な育児サポートに加えて、家を建てる際の援助も得られやすくなるという結果が出ています。
これからは、家づくりにも子育てにも、「親子コラボ」がもとめられる重要な時代。親密なコラボレーションが、建てるとき、住んでからの満足度に大きく関わってくるのです。次ページで、具体的な間取りの工夫ポイントをご紹介しましょう。