既存のイメージからの脱却。家族旅行はマーケットチェンジに欠かせない
プリンスホテルの設立は1956年。DUAL世代にとっては、幼い時は家族旅行、学生時代にはスキー、社会人になったら出張や宴会で・・・色々なシーンで利用したという方も多いことでしょう。一方で都市とリゾートという立地に加え、ホテルごとに客室のクオリティーや全体のグレード感にバラつきがあり、高級ホテルなのかビジネスホテルなのかブランド全体のイメージが掴みにくい・・・そんな印象を筆者は持っていました。
株式会社プリンスホテル プロモーション部 次長 多々良嘉浩さん
「2006年に新たな体制になった際、まずはホテルのブランディング強化から着手しました。2007年には全国のホテルを3つのカテゴリー(※)に分けて、それぞれのターゲティングを決定。『峻別と集中』の経営革新により、ホテルの役割を明確にしました」と多々良さん。
さらに「ホテル毎に最適なマーケットを見据え、その滞在ストーリーに合わせた形で設備もリニューアルを進めております。その中で重視していることに“マーケットチェンジ”があります。特に生涯顧客の育成ということを考えると、家族旅行というのは、大きな柱になると考えています」(多々良さん)
ただ設備投資については、コストや優先順位などの関係で“我慢の時代”もあったとか。それが、ここ数年は攻めに転じ、次々とホテルがリニューアル。既に多くのホテルで「家族や三世代に適した客室などにリニューアルしている」(新倉さん)というから驚きます。
改修が進む中「ソフト・ハード両面からトータルに価値を提供できるホテルが増え、様々なニーズに合った提案をできるようなってきた」と、多々良さんと新倉さんは口をそろえます。
(※)上位から、ザ・プリンス、グランドプリンスホテル、プリンスホテルの3つ
リニューアルした苗場プリンスホテル“遊ROOM” ※