アクティブ・ラーニング 効果出るのは難関中学のみ
中堅以下の中学では“名ばかり”で実態を伴わない場合もあるので要注意
近年、学校教育の現場で注目されている「アクティブ・ラーニング」。今やその言葉を知らないという人は少ないかもしれません。その中身について「何となく分かる」方はいても、正確に答えられる方はそれほどいないのではないでしょうか? 難関校をはじめとする私立の中高一貫校では、今、この「アクティブ・ラーニング」が積極的に行われています。では、その中身はどんなものなのでしょうか? 私立中学受験に詳しい西村則康先生に聞いてみました。
そもそもアクティブ・ラーニングって何?
文部科学省によると、「アクティブ・ラーニング」は次のように説明されています。
教員による一方向的な講義形式の教育とは異なり、学修者の能動的な学修への参加を取り入れた教授・学習法の総称。学修者が能動的に学修することによって、認知的、倫理的、社会的能力、教養、知識、経験を含めた汎用的能力の育成を図る。発見学習、問題解決学習、体験学習、調査学習等が含まれるが、教室内でのグループ・ディスカッション、ディベート、グループ・ワーク等も有効なアクティブ・ラーニングの方法である。
西村則康先生
つまり、これまでの「先生が生徒に知識を教える」といった一方通行の授業ではなく、生徒自身に体験させたり、考えさせたりする「主体的な学び」を指します。
では、アクティブ・ラーニングは、いつごろから注目されるようになったのでしょう?
西村先生はこう話します。
「アクティブ・ラーニングは、“グローバル教育”という言葉がもてはやされるようになった後に、物事を論理的に考える“ロジカルシンキング”や自分の考えを述べる“ディベート”が重視され、一般的にはその後に出てきた言葉です。現在のように世の中に浸透するようになったのは、ここ5~6年のことではないでしょうか」
「しかし、男子御三家をはじめとする私立の難関中高一貫校では、そんな言葉が出てくる以前から、こうした授業を実践していました」
では、私立の難関校ではどんな授業が行われているのでしょうか? 次ページから、詳しく紹介していきます。
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