コップに一滴ずつ水を注がれるように、いじめの苦しみがたまっていく
早めに相談に行くことの重要性は、いじめの早期解決のためだけではないという。
その理由を、いじめ問題への啓発活動を行うNPO法人・ストップいじめ!ナビの須永祐慈事務局長は「コップの水」に例えて説明する。
「いじめはささいなきっかけから始まることがほとんどですが、どんどんエスカレートしていくという特徴があります。いじめを受けている子も『なんだかつらいな』『苦しいな』と思いながら、1人で我慢してしまう場合が多い。その我慢が徐々にたまっていき、ある日突然、緊張の糸が切れ、不登校になったり、自殺に至ったりしてしまう」
「コップに水を注ぎ続ければ、たとえ一滴ずつだったとしても、いつかはいっぱいになって溢れてしまうでしょう? その水が溢れないように、いじめを受けた子の苦しみを緩和したり、受け止めていってあげないといけません」
特集の第2回では、読者を対象にしたいじめに関するアンケートを見ながら、いじめの現状について探る。そのうえで、全6回の特集を通して「どうすれば子どもをいじめから救うことができるのか」を考えていきたい。
(取材・文/樋口可奈子)