小学校6年生まで受け入れ。改善が進む公立学童
区市町村が設置し、学校施設内や児童館内などで開設されている公立学童。民間学童と比べて、基本時間が17時、18時までと短いところが多いものの、料金が安く、指導員が見守るなか、子ども達が放課後を過ごすことができます。学校に併設している学童であれば、移動面でも安心です。
以前は学童保育の対象が「おおむね10歳未満の小学生」とされていたため、3年生までしか受け入れてくれない公立学童があり、4年生になると行き場がなくなる子どもがいました。ですが、2015年4月に施行された児童福祉法改正により、学童保育の対象が小学校6年生まで引き上げられました。
併せて、今までは公立学童の開設基準が明確に決められていなかったのですが、預かる子どもの数はおおむね40人以下、放課後児童支援員と呼ばれる指導員の数は2人以上など、設備や運営に関する基準が新たに設けられ、改善されています。
では、実際子ども達は達放課後の時間をどのように過ごしているのでしょう。足立区にある「千住あずま学童保育室」と千代田区にある「西神田学童クラブ」の2つの公設公営学童を訪れました。施設や子ども達を見て感じたことなども含め、詳しくリポートします!
産後間もないママやお年寄りとの交流も
【足立区】子育てサロン、児童館などが集まる住区センターに併設された学童
足立区内の公設学童は、区の直営が5カ所、指定管理者による運営が9カ所、民間運営が13カ所あり、残りの70カ所以上は住区センターと呼ばれるコミュニティセンター内にある学童と小学校などに併設された分室と呼ばれる学童で構成されています。
今回訪れたのは、足立区に48カ所ある住区センターのうちの1つ、千住あずま住区センターに併設されている「千住あずま学童保育室」。いわゆる「公設公営」の学童です。
2016年4月に建て替えたばかりの建物は4階建て。学童保育室のほか、就学前の小さな子どもとその保護者を対象にした「子育てサロン」、0~18歳対象の子どもの遊び場「児童館」、60歳以上の高齢者を対象にした「悠々館」、サークル活動などが行える「集会室」があります。
館内は新しいこともあり、清潔で明るい雰囲気。小さな赤ちゃんを連れたママからお年寄りまで、様々な年代の人が行き来しています。
「住区センターは、地域の住民組織である管理運営委員会で運営されています。住区センターが一体となって進める行事やイベントもあり、多世代と交流することができます」と教えてくれたのは、足立区地域のちから推進部住区推進課の矢野恵子さん。
「学童保育室と子育てサロンは同じ階にあるので、子育てサロンに来るママや赤ちゃんと自然に触れ合いが生まれます。学童の子ども達が、産後間もないママから出産の話を聞く機会も設けています。ママにとっても数年後のわが子の姿を想像できるので、好評のようです。悠々館に来るお年寄りから盆踊りやこまなど昔の遊びを教わることも。夏休みは毎朝一緒にラジオ体操をしているんですよ」(矢野さん)
カメラを向けると、元気いっぱいに応えてくれた千住あずま学童の子ども達