最初から最後まで、何度も何度も繰り返す

 例えば、『しくじり先生 俺みたいになるな!!』(テレビ朝日系)で行う授業形式の僕のプレゼンテーションは、収録日まで尋常じゃないほど練習しています。1人で話しても40~50分ある授業内容を、最初から最後まで、何度も何度も繰り返します。

 ある程度プレゼンができ上がったら、周囲の人間に聞いてもらい、反応を見て、微調整をします。嫁、相方、マネジャー、スタイリストと…周囲の人間は全員、収録までに僕の授業を受けています

 収録日は、いつ試合が始まっても準備万全。実際の収録での生徒による質問や僕の返答はアドリブですが、生徒なしでも完全に成立する授業内容を頭にたたき込んであるので、話が脱線しても戻せます。

 古舘伊知郎さんの「トーキングブルース」というライブがあります。ステージでただ1人、マイク1本で古舘さんがしゃべりまくる2時間はすさまじいんですが、あの神がかった内容がすべて練習通りと聞いて、さらに感動しました。古舘さんのようにしゃべりの能力がある人がさらに鍛錬し、圧倒的なクオリティーに仕上げている。勇気が湧きます。

 「実力を発揮できなかったらどうしよう」「うまくアウトプットできなかったらどうしよう」というのが、大事な局面で抱く不安や緊張です。

 この不安に対して、事前にアウトプットを幾度となく重ねたときに行き着く境地は、「何をやっても、これが実力だ」なんですよね。

 以上が、僕の折れない心のつくり方。

 参考には…なりませんかね(苦笑)。

(取材・構成/平山ゆりの 撮影/片桐憲寿)