三井住友銀行(以下、SMBC)の取り組みで特徴的なのは、子育て中の夫婦がそろって参加するセミナーが複数用意されていることだ。当然ながら配偶者は「他社の人」である場合も多い。
「我々の経費で行う施策に『他社の方』を巻き込んでよいのか。これについては社内でも議論を重ね、踏み切るのには勇気が必要でした。でもご家族の協力があるからこそ、仕事と子育てを両立できる。『他社の方』などと言っている場合ではない。ご家族に対して、これまでの貢献へのお礼と、今後もご支援よろしくお願いします、と伝える意味はあると考えました」。人事部ダイバーシティ推進室兼人事部研修所所長代理の胡(えびす)亜矢子さんは説明する。
人事部ダイバーシティ推進室兼人事部研修所所長代理の胡亜矢子さん
夫婦そろって参加できるセミナーの一つ目は「育休職場復帰サポート講座」。育休者を対象に年3回、東京と大阪で開催している。各回テーマは異なり、6月開催は外部講師による「保活指南」、9月開催は「キャリアを考える」。そして4~5月に復帰する多くの社員にとって復帰直前となる2月分は休日開催とし、「夫婦での参加」を勧奨。育児分担について夫婦で考える機会としている。2015年度は100組以上が夫婦(他社勤務の配偶者を含む)で参加した。2017年度からはさらに進んで、すべての回において、夫婦での参加を勧める予定にしている。
育休者を対象にした育休職場復帰サポート講座
両立を支える「祖父母」も参加できるセミナー
二つ目が「パパママフォーラム」。こちらは配偶者(他社勤務も可)に加え、2016年度から両立を支援してくれる「社員の父母・義父母」にも対象の枠を広げた。