週3勤務、週4勤務が当たり前のオランダ
左/市内にある大きな公園。運動場、アスレチック、遊具のほか、牛、馬、うさぎなどがいる動物園、市民菜園も併設。夏は平日でも家族連れで大にぎわい。右/夏は広々とした芝生で日光浴やBBQをする人も
オランダでは、「週3勤務」「週4勤務」という形が、それほど珍しくありません。筆者もオランダに移住した当時、驚いたのは、平日の昼から公園で子どもと遊んでいるパパが多いことです。夏の晴れた日などは、日本の休日の公園より、パパと遊んでいる子どもたちが多いのです。
これは後で分かったことですが、特に子育て中の共働き夫婦は「週4勤務」「週3勤務」というパートタイマーとなり、平日に休みを取り、子どもと過ごす時間をつくる人が多いからなのです。
ですから、例えば、パパのお休みが水曜日となると、その日は「パパの日」として、日中子どもと過ごすのはパパの役割になります。共働きの場合、平日の休みを夫婦でズラして、子どもと過ごす時間をつくる家庭が一般的なのです。
ここであえて、“子どもと過ごす”と書いたのは、パパたちを見ていると、「ママに育児を押し付けられて、仕方なく子守をしている」というようには全く見えないからです。中には、小さい子ども3人と一緒に遊んでいるようなパパもいます。そして公園などでは、初めて居合わせた親同士が一緒に子どもたちと遊ぶ、というようなことも頻繁にあり、「子どもが社会の真ん中にいる」雰囲気を感じることができます。
オランダ人の働き方の実態はどうなっているのでしょうか? オランダ人で、労働法の専門家でもあるアレックスさんに聞いてみました。
「一般的に、週4勤務(週32時間、あるいは36時間の勤務)をしている人が多いです。また週3勤務ですと、パートタイムになります(週35時間以下の勤務はパートタイム)。働いている女性のうち、パートタイム勤務が75パーセント前後を占めるというデータもあるようですので、週3勤務も、子育て中の女性の中には多いのではないかと思われます」
日本でパートタイムというと、アルバイトや非正規社員を連想するかもしれませんが、オランダではパートタイマーであっても正社員。福利厚生を含めた待遇は、フルタイムワーカーと違いはありません。もちろん労働時間が短い分、パートタイマーは、フルタイムで働く人と比べて、給料は少なくなります。しかし違いは主に「労働時間」だけなのです。