リビング収納の理想は家族の誰にも一目で分かること
「『しまう』という言葉は漢字では『仕舞う』と書きます。これはもともとは次の動作のために良い状態にしておくということです」と話すのは積水ハウスで子どものための住まい環境を研究している河崎由美子さん。「つまり、しまう=収納とは、しまうときのしまいやすさよりも、次にさっと出せることが大事なのです」。確かに、しまうときは引き出しや箱にギュッと押し込めばそれでおしまいです。でも、それだと、次に出すときは探すのが大変。重なり合ってどんどん奥へおいやられているかもしれません。
「色々な人が出入りするリビングでは、欲しいものを欲しいときにサッと出せることは大切です。理想はどこに行けば何があるというのを覚えなくても、くるっと見回せばすぐ見つかるユニバーサルな収納。これなら、たまに手伝いに来る祖父母やシッターさんに分かりやすく説明しなくても済みます。子どもに『お母さん、セロテープどこ?』『切手はどこ?』と聞かれることも減りますよ」
パパが家事をしないのはしまう場所が分からないから
「イクメンさんも増えていますが、家事に関してはまだママがリードする家庭が多いのではないでしょうか。パパが家事が苦手な理由は、やるとママに怒られてしまうからです。どこに何があるか分からないから聞くとイヤな顔をされてしまう。どこにしまったらいいか分からないので適当に置くと後で騒ぎになる。だから手出しをしないという悪循環になってしまうのですね。今回は大ざっぱなパパが多少ずれた場所に置いてもOKで、次の人も快適に使える収納をご紹介します」