胸が膨らんできたら 初潮が訪れる目安と備え
思春期は、心や体に様々な変化を経験する時期。一般的には女の子は10歳前後、男の子は11歳6カ月前後から始まり、女の子のほうが男の子よりも若干早く始まるといわれています。思春期の女の子の体は、エストロゲンやプロゲステロンなど女性ホルモンの影響により、次のような変化が現れます。
「女の子の思春期の始まりは、多くの場合まず乳房から発育していきます」とは、バースセラピストで助産師のやまがたてるえさん。
やまがたてるえさん。チャイルドファミリーコンサルタント、バースセラピスト、助産師。小6、小4の姉妹を育てながら、「命・心・体」をテーマに講演や子育て学講座、執筆など幅広く活動する。松戸市教育委員会教育委員。著書に『13歳までに伝えたい女の子の心と体のこと』(かんき出版)、『ぽかぽか子宮のつくり方』(河出書房新社)など
「初潮が来る時期は個人差がありますが、一般的に10~15歳。胸が膨らみ始めたら、初潮を迎える具体的な準備をしましょう」
体の変化が現れるとともに備えておきたいのが、「ナプキン」と防水機能の付いた「サニタリーショーツ」に加えて、使用済み下着を入れるための「ビニール袋」の3点セット。
「最初からしっかりと経血があることはまれで、茶色っぽく出たり、ピンク色のおりもの状だったり。子ども自身も初潮に気付かずに1日を過ごしてしまうというケースも少なくありません。『お友達に知られたくない』と心理的にナーバスな時期とも重なりますし、3点セットはかわいいポーチなどに入れて、ランドセルのファスナー式ポケットの中に携帯しておくと、突然の初潮の訪れに慌てずに対応できるのはもちろん、お友達が困ったときにも助けてあげられます」
初潮の来るタイミングは遺伝要素などもあり、早めなのか、ゆっくりなのか、自分の思春期を思い返すのも一つの目安になる、とやまがたさん。
「体格が似ていると特にその傾向が強いので、体格が似ているパパやママの家系の体験談も参考になります。実際に月経が来るようになったら、移動ポケットを利用したり、スカートやズボンの裏側に簡単な内ポケットを縫い付けてあげたりすると、ナプキンを使いたいときにすぐ取り出せて便利。3点セットを渡したタイミングで使い方をはじめ、取り換えるタイミング、昼・夜間の使い分けについても一通り教えてあげましょう」
月経についての基礎知識は、いつ子どもに伝えたらいいのでしょうか。次のページからは、子どもへ初潮の知識を伝えるタイミングとナプキンの選び方、生理にまつわる悩みの対策について解説していきます。