前回の記事では、日本アンガーマネジメント協会代表理事の安藤俊介さんに、怒りの正体や、子どもへの正しい怒り方、怒りっぽい人の特徴などについて話を聞きました。この記事では、実際に怒りの感情を覚えたとき、どのように対処すればよいのか、という具体的なお話を紹介します。
怒りといっても、色々な種類があります。子どもに対してイラっとして、怒鳴ってしまうような怒り。例えば子育てを通じて、自分が子ども時代のつらい記憶などを思い出してしまい、悲しかったり悔しかったりするような、怒り。それぞれの怒りにどう向き合っていけばいいのでしょうか。
安藤俊介 アンガーマネジメントコンサルタント。企業、教育現場にある怒りの問題を解決する専門家。怒りの感情と上手に付き合うための心理トレーニング「アンガーマネジメント」の日本の第一人者。文部科学省も注目している感情理解教育「アンガーマネジメント」の理論、技術をアメリカから導入する。教育現場から企業まで幅広く講演、企業研修、セミナー、コーチングなどに日々奮闘している。また、アンガーマネジメントのトレーナーの育成にも力をいれている。主な著書に『はじめての「アンガーマネジメント」実践ブック』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、「アンガーマネジメント入門」(朝日文庫)、「怒りに負ける人、怒りを生かす人」(朝日新聞出版)など。">
安藤俊介 アンガーマネジメントコンサルタント。企業、教育現場にある怒りの問題を解決する専門家。怒りの感情と上手に付き合うための心理トレーニング「アンガーマネジメント」の日本の第一人者。文部科学省も注目している感情理解教育「アンガーマネジメント」の理論、技術をアメリカから導入する。教育現場から企業まで幅広く講演、企業研修、セミナー、コーチングなどに日々奮闘している。また、アンガーマネジメントのトレーナーの育成にも力をいれている。主な著書に『はじめての「アンガーマネジメント」実践ブック』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、「アンガーマネジメント入門」(朝日文庫)、「怒りに負ける人、怒りを生かす人」(朝日新聞出版)など。
「そんなときは『6秒ルール』を意識してみてください。イラっときたら6秒待つ、ということです。アンガーマネジメントは、料理やテニスを習って覚えるのと一緒で、やり方を教わってあとは練習を繰り返すことで身に付きます。ほとんどの人は、同じことでいつも怒ってるんですよ。でも不思議じゃないですか? 料理で毎回同じ失敗をしていたら、『ちょっと頭を使って、やり方を変えればいいじゃない』という話になりますよね。怒りのコントロールも同じで、一つのスキルなんです。もちろん、スキルなので個人差はありますし、全員がプロのレベルになれるわけではないです。ただ、卵も割ったことがなかった人でも、学習すれば目玉焼きくらい作れるようになるよ、ということなんです」
「他に具体的な対処策として、『怒りの温度計をつける』というものがあります。例えば天気は、天気予報で最高気温が5度ですって言われたら、どんな服装をすればいいか考えることができます。怒りも必ず比較対象があるので、自分の中でどれくらいの怒りなのかを、客観的に分かるようにすることが重要です」
「僕たちは怒りの原因が『誰か』とか『何か』『出来事』といった『外』にあると思っています。でも本当はそうではなく、全部自分の中にある『~べき』が裏切られたときなんです。だから自分が何に対して怒っているんだろう、と思ったときには、自分の中にどういう『~べき』があるのかを探っていくことが必要なんです」
「このようなトレーニングを繰り返していくと、一般的には3週間くらいで、効果が出てきます。怒りに対する向き合い方などが『くせ』となって、定着してくるからです」