先日の2016年2月の国会で、あれだけ大々的に国民への約束として掲げていた「2017年度末までに待機児童ゼロを目指す」ことについて、安倍総理が「難しい」と答弁した。
民進党の山尾志桜里議員が目標達成時期を質問するも、「そんなに興奮しないでください(笑)」と返答され、議場からは嘲笑の声が。「笑うところではないのです。真剣なんですよ、お母さんたちの声を聞いて、子どもたちの声を聞いて」と山尾議員が続けるシーンが話題になった。
そう、笑いごとではないのである。自民党の公約にある待機児童解消は一体いつ実現されるのか。1999年に少子化対策推進基本方針が発表されてからすでに18年。約束は破られ続けている。
「保育園増やし隊@武蔵野」代表の天野妙(あまの たえ)さんは、「保育園の問題について、解決しない理由の最大の原因は、こども子育て予算が少ないこと」といい、国は1.4兆円の予算を追加して待機児童解消を実現してほしいと署名運動を行う。
自治体ごとの認可保育園の「定員増加数」を調べた
そこで日経DUALでは、独自調査で実際にどのくらいの自治体が認可保育園の定員を増加させているかを調べた。国の予算という大きな話が根幹にあるテーマだが、皆さんがお住まいの街では定員増加がどのくらいあるのか、まずは知ってもらおうという試みだ。
【調査について】
・調査名:「自治体の子育て支援制度に関する調査」
・調査対象:首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)、中京圏(愛知・岐阜・三重)、関西圏(大阪・兵庫・京都)の人口15万人以上の主要市区と全国の政令指定都市、県庁所在地の合計162自治体
・実施期間:2016年9月~10月
・回答数:147自治体
認可保育園の全クラス定員増加実数 街ランキング(2015年→2016年)
上記の表は、各自治体の認可保育園における全クラスの定員数だ。2016年度と2015年度の差から増加数を計算し、ランキング形式で表示した。
最も増加した町は横浜市で2668人。保育園になかなか入れないで有名なマンモス自治体だが、さすがに増加数は1位となった。続く2位・3位は、意外にも首都圏ではない札幌市(2218人)、名古屋市(1905人)と、地方都市もがんばっている。
そのほか1年間で1000人以上の定員を増やした街は、川崎市・さいたま市・熊本市・世田谷区・船橋市・浜松市・練馬区・品川区 となった。