コツコツ積み立てて長期投資を続けられる人は本当に少ない
「数十年単位でじっくりとコツコツ積み立てながら運用していく長期投資を続けられる人は本当に少ない」と言う中桐啓貴さん
――「資産運用」といってもあまり身近に感じられない人が多いようです。
日本では預貯金には馴染みがあっても、「投資」となるとなかなか踏み出せない人が多いですね。短期的な利益を目的とした個別株の売買をしている方はいても、数十年単位でじっくりとコツコツ積み立てながら運用していく長期投資を続けられる人は本当に少ないですね。
ある調査によると、日本国内で積み立て投資を継続する期間の平均は22カ月だそうです。つまり、2年弱しか続いていない。しかも、うち4割は1年以内に解約しています。続けられない理由はいろいろあると思いますが、値崩れした時に慌ててすぐに売ってしまったり、「家を買うことになったので資金が必要になった」と急に切り崩したりしてしまうことが多いようです。
長期投資のメリットは、少額ずつタイミングをずらして投資することで値下がりのリスクを分散して利回りを維持していくことにあるのに、実にもったいないことです。しかし、そうはいっても一人で資産運用をしようとすると、どうしても続ける意志が揺らいだり、大きく値が下がった時に慌ててしまったりするものだということも理解できます。
一人で長期投資を持続するのは難しい。であれば、それを可能にする伴走者でありたい。そんな思いで私たちは日々、お客様に向き合っています。
10年経って資産が1億円を超えたDUALファミリー
――DUAL世代からの相談も多いのでしょうか?
よくありますよ。そもそも私が初めて世に出した著書が『会社勤めでお金持ちになる人の考え方・投資のやり方』(クロスメディア・パブリッシング)という20~30代から始める長期積み立て投資のメリットを提唱した本でしたので、創業当初からのお客様はまさにDUAL世代の方々ばかりです。その頃にお申込みいただいた30組ほどのご家族は今も私が担当していますが、もう10年以上のお付き合いになる方も多いですね。
印象的だったのは、共に製薬会社にお勤めのご家族で、相談にいらっしゃった当初は娘さんが生まれたばかりの頃でした。世帯年収も多いご家族だったのですが、奥様の倹約志向が強く、10年以上乗っている車を買い替えたいというご主人の希望がずっとかなえられていないということでした。きっと漠然とした不安があったのだと思います。
お話を聞きながら、月25万円の積み立て投資と一時金での投資で教育資金と老後資金を十分に備えられるようにプランニングをしました。10年経って資産が1億円を超えるようになった今では、「今の生活を充実させるための支出」にもゆとりが生まれ、めでたく新車を購入されましたし、旅行も頻繁に行かれているようです。
ご主人はパーソナルトレーニングジム通いも始めて、ずいぶんアクティブに生活を楽しまれていますね(笑)。この10年の間に住宅購入を検討する機会もありましたが、「娘が通う中学が決まってから、近くに新築を購入したい」という希望を確認し、それまでは2000万円ほどで購入できる中古マンションに暮らすということにしました。「新築住宅を購入したら、中古マンションは賃貸に出すか売却する」ということも決まっています。
このように、ご家族がよりいきいきと安心して人生を楽しむためのお手伝いができていると実感できる時はとてもうれしいですね。