こんなに違う!学校と塾の授業のスピード
西村則康先生
大手進学塾に通い始めた新4年生が初めに戸惑うのは、授業のスピードではないでしょうか? 小学校の授業は、「クラスみんなが理解できるように教える」ことが基本ですが、塾の授業はそうではありません。
西村先生はこう話します。
「塾は年間にやるべきカリキュラムが決まっていて、毎回の授業で『ここまで教える』という課題があります。限られた時間内に必要なことを教えなければいけないため、先生が教えるスピードも自ずと速くなります。たとえるなら、NHKのアナウンサーが話すスピードですね。まずはこのスピードに慣れる必要があります」
「次に板書です。こちらも小学校の授業よりスピードが必要です。のんびり写していると、あっという間に消されて、次に進んでいきますので、子ども達は必死です。しかし、ここで気をつけなければいけないことがあります。書き留めることに必死になっていると、何も考えずに写しているだけなので、内容が理解できなくなってしまうのです」
「こうした状態にならないようにするためには、『授業の聞き方』を変えていかなければなりません。板書に必死になるのではなく、黒板を見ながら先生の話を聞くという状態にするのです」
「それには『素早く書く』練習が必要です。できれば、低学年のうちにその練習をしておくといいでしょう」
「実はえんぴつの持ち方も、書くスピードに大きな影響を与えます。正しい持ち方をしていれば、字や図もスムーズに書けますが、そうでないと変に力が入って、えんぴつの芯が折れてしまったり、字が斜めになってしまったりして、何度も書き直してスピードについていけなくなってしまうからです。ですから、えんぴつを持たせ始めるときから、正しい持ち方を身につけておくことが大切なのです」