不妊治療の成功率が低い日本。背景には「やせ過ぎ」と「栄養失調」がある
「細川モモ 夫婦で育休取得、意識がフルモデルチェンジ」では1カ月の育休を取った夫との連携や今後の展望について語った">
細川モモさん/予防医療コンサルタント/母子健康コーディネーター/一般社団法人ラブテリ代表理事。予防医療の中でも日本が手薄である母子健康向上のため、2009年から企業・大学・官公庁等とコラボレートした健康や妊娠・出産に関する研究をコーディネーターとして複数手がけ、学会・論文発表を精力的に行う。2014年から三菱地所とともに働く女性の健康をサポートするための場として「まるのうち保健室」を立ち上げ、日本初となる「働き女子1000名白書」をまとめ、厚生労働省主催のデータヘルス見本市にて“健康づくりのプロ”として登壇する。2016年9月に女児を出産。「細川モモ 夫婦で育休取得、意識がフルモデルチェンジ」では1カ月の育休を取った夫との連携や今後の展望について語った
「日本は世界で最も体外受精が行われている国でありながら、治療成績は世界で最下位から3番目であることがICMRAT(国際生殖補助医療監視委員会)のまとめによって明らかになっています。それだけ日本の女性は妊娠が難しい現状があります」とお話を始めた細川さん。それはショックな現実ですね。理由は何なのでしょうか。「高齢出産など、要素はいくつかありますが、ひとつには日本の妊娠適齢期の女性はやせ過ぎと栄養失調がかなりひどいのです。さらに血糖値が上がるものは多く食べているのに、野菜をあまり食べていません」。確かに忙しいDUAL世代は、子どもの食事には気を付けるけれど、自分の食事にはあまり気を配れていないかもしれません。
「日本の妊娠適齢期世代の女性は『やせ型』が多く、BMIも平均18.7と低い人が多いのですが、妊娠するために推奨されるBMIは20~24です」と細川さん。BMIとはWHOが定めた肥満の国際基準です。「体重(kg)÷(身長(m)×身長(m))」で求められます。
「妊娠にとって、やせ過ぎていいことは何もありません。私たちの調査では、働く女性は1日に1479kcalキロカロリーしか取っていません。これは、70代の高齢者以下であり、終戦直後より低い数値です。朝食を抜かずに1日1800キロカロリーはきちんと食べて、月経・排卵・妊娠に影響するBMI、体重、体脂肪を標準ラインにとどめましょう。食事内容を見直すことから妊活はスタートします」