左/日本パパ料理協会の会長飯士を務める滝村雅晴さん。家族みんなで食卓を囲むことが少なくなった現代は幕末ならぬ「卓末」であるとして、多くのパパ飯士たちと「共食維新」を目指す。右/兼業主夫放送作家、杉山錠士さん。交流会の会場となったバー「旗の台BAL Cero」のオーナーでもある
日本パパ料理協会とは、前述の特集記事に登場するビストロパパ代表の滝村雅晴さんや、兼業主夫放送作家の杉山錠士さんらが発起人となって2014年に設立した団体。「パパの料理を通して、食卓の笑顔を増やしたい」を理念に、全国で約100人の会員たち(会員は「パパ飯士(はんし)」と呼ばれます)が、パパ料理の普及や啓蒙活動を行っています。
そんな日本パパ料理協会の設立3周年を記念して開催されたのがこの日の会。参加したパパ飯士たちはそれぞれ一品ずつパパ料理をふるまうのがルールです。それらをさかなに今後の活動などについて様々な意見を交わす飯士たちに、パパ料理のコツや妻とのバランス、子どもが喜ぶメニュー、よく使う食材…などなどじっくり聞いてみました!
若い女性に「彼氏に食事を作ってあげるのはやめたほうがいい」と助言
―― 皆さんが「パパ料理」をするようになったきっかけを聞かせてください。
万木さん 長男がまだ赤ちゃんのころ、妻が離乳食を作るのに手いっぱいで自身の食事がなおざりになっていたんです。パンをかじっただけだったり。本人は「ダイエットを兼ねているから大丈夫」なんて言うんですけど、ちょっとそれはないだろうと。それで、妻のためにおかずとごはんをワンプレートにしたものを作ってから出社することにしたんです。そうしているうちに余ったおかずを使って子どもの弁当を作ったりもするようになりました。
笠原さん 僕は大学時代に一人暮らしをしていたので料理の素養はあったのですが、家族のために料理することはほとんどなかったんです。昨年、滝村さんの講演を聞いたことがきっかけでパパ料理をするようになりました。
橋さん 私も一人暮らしの経験があり、その後、色々事情があって主夫をしていたこともあるので料理を作ることは当たり前の行為でしたね。現在は週末の昼、夜と平日の朝の食事を担当しています。
―― もともと料理はしていても、家族のためというとまた別の話になりますよね。
笠原さん そうですね。昨年までは友達が遊びに来たときに料理が作れるとちょっとカッコいいかな、くらいの意識でした。つまり料理が日常的なものではなかったんです。妻は毎日の食事を地道に作ってくれていたんですけどね。滝村さんも言っているように、家族と食卓を囲める時間というのは有限。今は忙しい朝でも味噌汁くらいは自分で作ろうと思うようになりました。
樋口さん 一人だったら毎日カップラーメンでもいいですけど、誰かのために作るとなると必然的にメニューも相手の健康を気遣ったものに変わりますよね。
橋さん よく若い女性に言うんですが、彼氏に一方的に食事を作ってあげるのはやめたほうがいいと思うんです。「女子力」とかいわれてますけど、最初にそういう関係性になってしまうと、結婚後もずっとそのままになってしまいますから。食事は最初から二人一緒に作ったほうがいいと思います。