生きていると「何もかもうまくいかない」とか「なんでこんなに調子が悪いんだろう」とか、いわゆる谷間といいますか、冴えないときって必ずある。これまでだって幾度となく乗り越えてきたはずなのに、しかし難局はいつも最新のものが生々しくって身に堪えるものであるらしく、このあいだの冬、わたしがそうだった。フレシネを飲みながら、振り返る。
同世代の女性で、人生や体の波が同期している感じ
仕事、育児、家庭、実家、親、人間関係……悩みのたねは尽きないけれど、この年になっていちばんしんどいのはやはり健康にかんすることだろう。年末にノロにかかり、年が明けてからはインフルエンザに罹り、それだけなら風物詩的にスルーもできるけれど、そこから体調が一気に崩れて、ずっと冴えない日々だった。
朝目が覚めても眠った気がせず、温めてもカイロを貼っても手足は冷たく、いつもどこかが軋んでいた。婦人科にかかり、薬を飲む、憂鬱な日々。こうしてだんだん体は下降していくんだなあと、どこか他人事のように感じるしかない、そんな日々だった。
いつだったか、小説家の津村記久子さんがエッセイか何かで、同世代について書かれていた。人生のイベントがだいたい同時期だったり、親が病気になったり体に不調が出たりと、同世代っていうと、だんだんだめになっていく感じとかが同じなんだなってそういうことを思うのだと。(うろ覚えだから細かいところが間違ってたらごめんなさい。)
この言葉はけっこう印象に残っていて、同世代の──とくに同性の人たちにたいしてそんなふうに感じる気持ちが、わたしにもある。
花がとても好きです。芍薬は蕾のとき可愛いけれど咲いてしまうとわりとすごい存在感で、見つめていると逆に未知の生き物から見つめられているようで、ちょっと危うくなります。剣呑剣呑。