2014年に学童保育の運営基準を定めた省令が施行
多くの家庭が小学校に入る際に、子どもを預ける学童(放課後児童クラブ)ですが、その運営基準や、実際の指導基準についてどのようになっているか、あまり知らないという人も多いかもしれません。実は、学童についての国の基準が定まったのはつい最近のことでした。
これまでは、施策も実態も市町村ごとに大きく異なっていたという放課後児童クラブ。共働き家庭が増え、待機児童が急増する一方、活動内容や質もバラバラな実態のままやり過ごしてきた時代を経て、2014年4月30日に厚生労働省が学童保育の運営に関する基準を定めた省令を出しました。さらにこの省令を受けて、「放課後児童クラブ運営指針」が完成しました。この運営指針の解説書は、現在、誰でも厚生労働省のHPから見ることができます。
■放課後児童クラブ運営指針解説書
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000158828.pdf
例えば、書かれているのは次のようなことです。
一般財団法人児童健全育成推進財団企画調査室長、野中賢治さん
解説書には、子どもが自ら進んで放課後児童クラブに通い続けられるように援助することについても明記されています。
一般財団法人児童健全育成推進財団企画調査室長の野中賢治さんは、放課後児童支援員、行政担当者、学識経験者(教育・医療関係の専門家等)と共に、2年をかけて解説書の作成に関わってきました。
「(子どもは)放課後児童クラブに通う意味を理解しても、通い続ける中で様々な出来事や気持ちの揺れが起きることもあります。放課後児童支援員などは、その時々の子どもの様子にこまやかに対応しながら援助を行う必要があります」と野中さんは話します。そして、子どもの様子について、次のように言います。
「5月は新たな仲間関係がつくられ、新年度の生活リズムが整ってくる反面、疲れも出てくる時期です。そして、6月は子ども同士の関係が安定してくると同時に、遠慮がなくなり、もめ事も生じる時期です。児童クラブ以外のことにも興味を持つことも出てくると思います。だから、疲れが出る6月に『学童がイヤ』と子どもが言い出しても、何の不思議もありません」
では、具体的にどんなことで子どもが学童を「イヤ」になるのでしょうか? その理由と対策を見ていきましょう。