稼いでいる人の子ども時代はガリ勉ではなかった

 次に、自然体験とお手伝い体験を比べてみましょう。先ほどと同じく、小学校低学年のころに「何度もある」と答えた者の割合です。

 こちらは、どの項目もリッチの数値が最も高くなっています(赤字)。どれも「プア<普通<リッチ」というように、現在年収とリニア(直線的)な相関です。

 黄色マークは、リッチの率がプアの2倍以上の項目です。一番下の掃除の手伝い経験は、プアが12.9%、普通が17.4%、リッチが26.4%ですか。差が大きいですね。

 「体験が人を育てる」とはよく言ったものです。稼いでいる人の子ども期は勉強三昧だったかと思いきや、データで見るとさにあらず。随所で言われていますが、お子さんには色々なことをさせたほうがいいのではないでしょうか。視界も広くなりますし。

裕福な家庭の子どもほど、経験が豊か

 ただ上記の差は、育った家庭環境の違いによるとも考えられます。裕福な家庭は、子どもを色々な所に連れていきますので。例えば趣味としての読書、美術鑑賞、海外観光旅行の経験率が、家庭の年収によってどう違うかをグラフにすると図1のようになります。10歳以上の小学生のデータです。

 いずれも、年収が高い家庭の子どもほど経験率が高くなっています。海外観光旅行の経験率(過去1年間)は、年収300万未満では0.6%ですが、1500万以上では17.7%、実に30倍近くの差です。