5年の夏が大事! SAPIX算数の夏期講習のコツ
5年の夏の講習で膨大に出される宿題は“取捨選択”を。授業で習ったことは「その日にうちに理解」を目指す
前回記事「中学受験 6年の夏は現時点の力の見極めが肝心」では、半年後に受験本番が控える6年生の夏の対策について、本連載でおなじみの西村則康先生にお聞きしました。6年生の夏ともなると、さすがにどんな子でも「頑張らなきゃ!」と受験に気持ちが向かいますが、5年生のうちはまだピンとこないかもしれませんね。ところが、「実は中学受験で一番大変なのは、5年生の夏休みなんですよ」と西村先生。それはどういうことなのでしょうか? 詳しく聞いてみました。
比・割合・場合の数・規則性 5年の夏休みは重要単元のオンパレード

多くの塾の場合、5年生の夏期講習は復習が中心になります。そのため、現時点で苦手単元がある子は、この休みを利用して克服するチャンス。ここでしっかり定着させ、秋から好スタートを切れるようにしましょう。
「しかし、難関校狙いの子が多く通うSAPIXだけは事情が違います」と西村先生。
「SAPIXの夏休みの講習は、復習ではなく先に進むからです。特に算数は、入試に頻出する重要単元である『比と割合』『場合の数』『規則性』が登場するので、一日たりとも手を抜くことができません」

西村先生はこうアドバイスします。
「SAPIXの夏期講習では、受験算数で最も重要単元となる『比と割合』を3回にわたって学習します。毎回新しいことを習い、積み上げ方式で理解を深めていくので、前の授業の内容が“分からない状態”だと、次の授業も理解するのは困難でしょう。一つでも苦手を作らないことを目標に取り組みましょう。少なくとも、比例式の計算は予習しておくことをおすすめします」
「『規則性』は4年生でも学習していますが、5年生の夏に学習する内容は難易度が上がります。そのため、4年生で苦手なままにしておくと、授業についていくことができません。講習を受ける前に、まずは4年生の内容を振り返っておきましょう」
「6年生になると、『規則性』はさらに難化します。5年生の夏の段階できちんと理解できなければ、6年生ではとても太刀打ちできません。つまり、ここで絶対に苦手にしないことが大事なのです」
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