パパ友は本当に必要ですか?
日経DUAL編集部 田中裕康(以下、――) 最近は保育園でも送り迎えをするパパの姿を当たり前のように見かけるようになりました。ママ友と同様、パパ同士のつながりも増え、パパ友をつくったり、パパ会が開かれたりすることも増えてきています。一方、なかなかその輪の中に入れない、参加したとしてもどうやって親交を深めればいいのか分からないという声も聞こえてきます。
そこで本日は、日経DUALでパパライターとしても活動している“ベテランパパ”のお二人に、パパ友ネットワークづくりで悩めるパパへのアドバイスをいただければと思います。そこで早速、直球の質問ですが、パパ友って必要ですか?
杉山ジョージさん。今回座談会を行ったのは、ジョージさんの経営する品川区旗の台のお店「BAL Cero」
杉山ジョージさん(以下、敬称略) うん、別にいらないんじゃないですか(笑)。無理やり作るものじゃありませんし、子どもが同じ保育園に通っているからといって、パパ友にならなきゃいけないわけでもないですよね。
ただね、同じ子育てをするなら、楽しいほうがいいと思うんです。仕事もして、家事も育児もしてとなると、お酒を飲みに行っている暇なんてないでしょう? でも子どもを連れてパパ友と飲めば、育児をしながらお酒を飲めるじゃないですか(笑)。子どもたちも友達と遊べるし、ママも自分の時間ができるし、みんなハッピーです。
それに、パパ友というものに前向きでなかったパパが、初めてパパ会に参加すると、大体「想像していたのと全然違いました!」って言うんですよね(笑)。そういうときには、「本当は寂しかったんじゃないのー?」とか言ってちゃかしますが。
なぜパパ友づくりに積極的でない人がいるのか。恐らく、ひと昔前の家庭像とか親子像みたいなものがあって、そのイメージにとらわれているんだと思います。数十年前は、何家族も集まって子連れで飲みに行くなんていうことは、まずなかった。でも、今は時代が変わってきていて、気軽に親子共々交流できるのが楽しいという雰囲気になってきています。そこに気付かないパパは、「親同士でつながるなんて面倒臭い」と思うわけです。
國尾一樹さん(以下、敬称略) 確かに、パパ友とかそういう付き合いを面倒臭いものだと思っているパパは、なかなか顔を出さないですね。そういうパパはクラスに何人かいるものだけれど、パパもママもみんなで集まって盛り上がっていれば、ママから様子を聞いて、最終的には参加するようになっていくこともあります。
もちろん、何か家庭の事情があるとか、そもそも育児に参加する気がなくてママに任せっきりにするパパであれば、参加はしないと思いますが。
杉山 そういった永遠に参加しそうもない人もいるので、それはそれで無理に引っ張り込もうとする必要はありません。パパ友はいらないと思っているなら、それがその人にとっての正解なんです。良くないのは、自分たちはパパ友と楽しんでいるけれど、そこに参加しない人を否定したり、陰口をたたいたりすることですね。パパ友がいることは、偉いことでも何でもないですから。
―― なるほど。でも、せっかくだから子育てをもっと楽しもう。パパ友がいると一緒に飲みにも行けるし遊べるし、楽しいよということですよね。決して無理強いするわけでもないので、それなら参加してみようというパパがもっと増えるような気がします。
では、ここで改めて、お二人の自己紹介を兼ねて、ご自身のパパ友づくりの経験についてお聞かせくださいますか。