傷みを防ぐにはどうしたらいい? 真夏の学童弁当、基本テク
まずは、子どものお弁当を10年作り続けている川口さんにお弁当作りのコツを聞いてみましょう。「私は大学で4年間、栄養学を学び、現在、女子栄養大学生涯学習やさまざまな講演会で管理栄養士として、また、二児の母として、子どもの食事を作るうえでの悩みや大変さを味わいながら子どもの食のアドバイザーとしてお話をさせていただいています。でも、ふだん作る料理は決して凝ったものばかりではなく、手抜きもします」。
「お弁当歴については海外で子育てをしていたこともあり、上の子のときは3歳から小学校6年生まで、毎日作っていました。中学生の今も毎日お弁当なので、足かけ10年です。しかも子どもが部活をがんばっているので、休みの日にもお弁当作りが欠かせません。インドに住んでいるときは特に暑さ対策には気をつけていました」
それでは、真夏の学童弁当作りのポイントを聞いていきましょう。
1 お弁当の保管場所は様々。安全を重視して
作ってから食べるまでの時間が長いお弁当は、安全重視が基本です。日本の夏は気温も湿度も高く、菌が繁殖しやすいので、夏場は特に要注意です。学童保育ではお弁当を冷蔵庫に入れてくれるところもあれば、エアコンの効いた部屋で保管してくれるところ、冷蔵庫もエアコンもないところもあります。子どもによってはお弁当を出し忘れてカバンに入れたままだったなんてこともあるので、安全重視のお弁当作りを心がけましょう(本田さん)。
2 保冷剤と保冷バッグを用意。ペットボトルを凍らせても
保冷バッグと保冷剤を用意しましょう。午前中にプールがあり、屋内でも気温の高いところに長い時間、お弁当を置かなければいけないような日は、いつもより大きめの保冷剤を使ったり、保冷剤の数を増やします。またはよく洗った500ミリリットルのペットボトルに水を入れて凍らせ、保冷剤代わりにするのもおすすめ。とても便利なので、わが家では保冷剤が足りない日に備え、冷凍庫に必ず1本、凍らせたペットボトルを常備しています(川口さん)。
水を入れすぎると破裂の危険があるので注意しよう
3 お弁当箱はよく洗う。乾燥もしっかりと
食中毒を防ぐテクニックとして気をつけたいのは、お弁当箱の扱い方です。お弁当箱がきちんと洗われていないと、そこから菌が繁殖します。水分も大敵なので、箱もフタも洗ったあとはよく乾燥させておくのが重要です。夏はいつも以上にきちんと洗い、よく乾かしてから使うように意識しましょう(川口さん)。
4 四隅の洗い残しに気をつけよう
角があるお弁当箱は四隅の部分の洗い残しに要注意。プラスチック容器の場合はゴムパッキンを外して洗い、フタの溝など細かいところに洗い残しがないよう気をつけましょう。
夜遅くに洗い物をすることが多い共働きファミリーの場合、子どもがお弁当箱を出し忘れたときも慌てずに済むよう、お弁当箱を2個用意しておくと安心です(武蔵さん)。
5 曲げわっぱ、かごは特に夏向き
かご弁や曲げわっぱのお弁当箱に使われる竹や杉、ひのきは通気性がよく、それ自体に殺菌作用もあります。長く愛用できる点も長所なので、ひとつあると重宝します(本田さん)。
6 忙しい朝でも調理前は必ず石けんで手を洗って清潔に
ただでさえ慌ただしい共働きファミリーが毎朝、早起きしてのお弁当作り。本当に大変です。特に朝はバタバタしてしまうため、意外と忘れがちなのが調理前の手洗いです。せっけんで手の甲、指の間、爪の間、肘下までしっかりと洗ってくださいね。爪ブラシを用意しておくといいでしょう(本田さん)。
7 スマホに触ったらその都度手洗い
スマホなどでレシピを見たいときもあるかと思いますが、想像以上に雑菌がついています。やむを得ずスマホなどを触ったあとは、もう一度、しっかり手洗いするようにしましょう(武蔵さん)。