何でも自分でやりたがる息子。家の中で旅をしています
清水(以降、――) ブルブルのお父さんの声優にキャスティングされたとき、どのようなお気持ちでしたか?
天野ひろゆき(以降、天野) 念願だった『アンパンマン』作品に声の出演が決まって、とてもうれしかったです。映画を紹介する番組(『東京暇人~TOKYO hi-IMAGINE~』)をやっているんですが、あるとき、『アンパンマン』の映画のスタッフさんがいらっしゃいまして、「声のお仕事ができたらなぁ…」と遠回しにすり込むように言っていたら、ようやく芽が出ました(笑)
―― 完成した映画を見て、いかがでしたか?
天野 自分の声のシーンは、あまり客観的に見られなかったですねぇ。僕が収録したのは、ブルブル役の多部未華子さんが声を入れる前だったので、彼女は僕の声に反応してセリフを入れてくれたんだと思いながら見ました。「なんとかわいいブルブルなんだ!」と感動しました。もし僕が多部ちゃんより後に声を入れていたら、ブルブルを宝探しの冒険に出さずに「ずっとお父さんのそばにいなさい」と言ってしまったかもしれないくらいかわいかったです。
―― ブルブルを冒険の旅に出すお父さんには、今の天野さんは共感できない感じですね!?
天野 うちの子はまだ小さいからねぇ。あれで旅したら恐ろしいことになっちゃう(笑)。今は家の中で旅していますね。信じられないところに現れたりしますよ。「どうやってこれを開けることを覚えたんだろう」とか「どうやってこの高さに上れたんだろう」とかね。子どもの好奇心は無限大だなと思います。小さい子なりに、色々な冒険をしているんですね。
親バカですが、我が子ながら自立心が強いと思います。何でも自分でやりたがってね。僕が手伝おうとしてもやらせてくれなくて、「まあまあ、ここは私が」といさめる感じすらあります(笑)
―― 天野さんのイケメンボイスが、ブルブルのお父さんのビジュアルにとてもマッチしていました!
天野 アニメはね、本当に容姿を忘れさせてくれるんですよ。コキンちゃんの声を担当している平野綾ちゃんから「天野さんが声優をやるときの癖が分かりました。いい声を出すときは、いい顔っぽい感じでやるんですね」などという恥ずかしい指摘を受けちゃいました。ついその気になっちゃうんですね(笑)
とてもカッコいいブルブルのお父さん(右)
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