息子の中学校選びで重視したのは、家からの距離
日経DUAL編集長 羽生祥子(以下、――) お話を伺っていますと、西原家では、生きるためのノウハウを常にお子さんに伝えているということが伝わってきます。息子さんは中学受験を経験したあと高校から留学、早くから英語を学んでいるそうですね。そこで、人生の表もウラも見てきた西原さんにズバリお尋ねします。 「人生に効く学歴、効かない学歴」ってあると思いますか?
西原理恵子さん(以下、西原) まず腰を抜かしたのは都心部の偏差値の格差ですね。大学のMARCH(明治・青山・立教・中央・法政)までのレベルと、それ以下の隔たり。MARCHは偏差値60、その間が空いて、次が急に40台という具合で、ちょうどいい真ん中ごろが少ない。子どもが少なくなっている分、二極化が進んでいることも影響しているのでしょう。うちの姪っ子が今年就職したんですが、一流大出身でないと面接まで行くのも大変だと、ヘトヘトになってました。
それにしても不思議に思うのは、どんな賢い子もダメな子も、ほぼみんな塾に行っていることですね。学校は一体何をしてるんだ、と。
―― まったく同意見です。学校の役割機能がすごく落ちているのか、それとも親が過剰に備えているのか。息子さんは小学何年生から塾通いをしていたのですか?
西原 うちは中学受験の100日前から。塾の先生がいい先生で。「よし、分かった。教科書の三分の一だけしっかり勉強しような」と言ってくれて、おかげで楽しく受験勉強できました。
―― 志望校選びの決め手は何でしたか? 公立志望でしたか? それとも私立?
西原 うちの息子は小学校は公立に、中高は私立に通いました。その学校を選んだ理由は、家から近かったから。小学校は自宅から歩いて5分。「これなら車にひかれないだろう」と思った。中高は井の頭公園の池を渡ってすぐのところにある学校。ここなら、通学中に桜やら雪やら公園の風景を楽しめていいだろうなと思ったんですけど、子どもたちはおかげで井の頭公園が大嫌いになりましたよ(笑)。子どもは学校嫌いですからね、その嫌いな場所への入り口ですから。
「都心部で子どもたちがみんな塾に行っていることに違和感。学校は一体何をしてるんだ、と」(西原理恵子さん)