焼きそばソースで元通り 学習のポイント
「あれ? 元の麺の色に戻った感じがする」「本当だ!」と子どもたち。発見を確かめ合いながら、やっぱり焼きそばは「ソース味がおいしいよね」ということを再確認した三人でした。
色々な液体を使って、色の変化を見比べてみよう
辻先生はこう説明します。
「この実験は6年生で学習する『水溶液の性質』の理解につながります。学校の授業では、リトマス試験紙を使って、酸性・中性・アルカリ性を調べる実験をします。実験をすると、酸性は赤色に、アルカリ性は青色に色が変わります。リトマス試験紙を使った実験でも、『色が変わる』という現象に子どもたちは驚きますが、同じ内容を子どもたちにとって身近な食材でやってみることで、より興味を引きつけます」
「紫キャベツの煮汁には、酸性とアルカリ性によって色が変化するアントシニアンという色素が含まれています。それをアルカリ性成分が含まれている麺に加えると、アルカリ性に反応して緑色に変わります。そこに酸性成分が含まれているレモン汁を加えるとピンク色に変わります」
<カラフル焼きそば 色の変化のまとめ>
焼きそばの麺に含まれる「かんすい」で弱アルカリ性(緑色)になった焼きそばの麺が、レモン汁で弱酸性(ピンク色)になった
この実験は、他にも様々な液体使って調べることができます。今回は、炭酸水と重曹とキッチンハイターを使って実験してみました。
今度は先ほどの焼きそばとは逆に、まず色の変化を見て、そこから溶液の性質を当てることにしました。
色の変化は次の通りです。
紫キャベツ液に色々な素材を混ぜてみると? 写真左から、炭酸水はピンク色、重層は緑色、キッチンハイターは茶色に変わった
4年生の二人は話がどんどん広がっていきます。
「こうやって、身近なもので実験をしてみると、より興味が広がります。家にあるものなら、ほかに酢、清涼飲料水、カレー粉などもやってみるとおもしろいですよ」と、アレンジの方法を教えてくれた辻先生。
カラフル焼きそばは、紫キャベツの代わりにナスの煮汁でも代用できるそうです。
<学習のポイント>
(1) 異なる液体の性質を身近な食材を使って調べる
(2) 「色が変わった!」という驚きから理科への興味を広げる
(3) 水溶液にはアルカリ性・中性・酸性があり、含まれる成分によって異なる色に変化することを知る