あれ? なんでこっちに膨らむの? 自由研究は手品にも使える
次の実験に使うのは、ペットボトルと風船です。どちらも簡単に手に入るものですね。
今度は辻先生がみんなの前で実験を披露します。
まず2リットルのペットボトルの口に風船をかぶせます。それを氷水の入った大きめのボウルに入れます。
さて、何が起こるでしょう? あまり変化がないので、もっと氷を入れてみることにしました。
2リットルのペットボトルをの口に風船をかぶせ、ビニールテープでしっかりとめる。そして、ボウルなどに用意した氷水につける
すると、だんだん風船がペットボトルの中に吸い込まれていきます。そして、ペットボトルの中で膨らみ始めました。
氷水に付けると、風船がだんだんペットボトルの中に吸い込まれ、ペットボトルの中で膨らんだ
と、子どもたちは目を丸くして聞いてきます。辻先生、なんだかうれしそうです。
と、用意したお湯に入れてもらいました。すると今度は・・・・・・?
「あれー! 今度は外に出てきた。膨らんでいく!」と大騒ぎ。実験というよりは手品を見ているような盛り上がりです。
「これは4年生で習う『水と空気と温度』の学習内容を再現した実験です。4年生の二人はもう間もなく学校で学習するでしょう。空気は温かくなると膨張し、冷たくなると縮むという性質があります。それを調べるのに、目で理解ができるように透明のペットボトルと風船を使って実験してみました」
「理科の実験というと、特別な器具やキットがないとできないと思っている人もいるかもしれませんが、実は身近なものでもわりと代用ができてしまいます。しかし、同じペットボトルを使うにも、この実験に適しているものと適していないものがあります。例えば飲み口が透明なペットボトルは、熱に弱いので、お湯につけるとペットボトルの形が変形してしまいます。ペットボトルはなるべく素材が固めで、耐熱を考慮しているものがいいでしょう。お茶や果汁入り炭酸飲料の、飲み口が白いペットボトルなどがいいですね」
「4年生では、水を熱すると水蒸気になることも学びます。このとき体積は約1650倍になるのですが、逆に水蒸気を冷やすと水になり、体積がとても小さくなります。これはコーヒーやお茶などのアルミボトルを使って実験することができます。アルミボトルが熱くなるので、扱いには注意が必要ですが、大人と一緒にやるなら問題はありません。ペットボトルの実験と同じように、ぜひ親子でやってみてください」(辻先生)
<学習のポイント>
(1) ペットボトルと風船を使って、温度による空気の変化を調べる
(2) 実験は特別な器具やキットがなくても、身近なもので代用できる
(3) 空気は温めると膨張し、冷たくなると縮む性質であることを知る