月70万円でも足りない? 贅肉家計のダイエット
日経DUAL編集部(以下、――) 「100年ライフ」4回目は、家計再生コンサルタントでFPの横山光昭さんに聞きます。「うちはダブルインカムで高収入だから関係ない」と思う読者が多いかもしれませんが、横山さんは「収入の高い家庭こそ要注意」と警告しています。
横山光昭(よこやま・みつあき) 家計再生コンサルタント、ファイナンシャルプランナー、株式会社マイエフピー代表取締役社長。お金の使い方そのものを改善する独自の家計再生プログラムで、これまで10,000人以上の赤字家計を再生。書籍・雑誌への執筆、講演も多数。著書は50万部を超える『はじめての人のための3000円投資生活』や『年収200万円からの貯金生活宣言』を代表作とし、著作は累計256万部となる。">
横山光昭(よこやま・みつあき) 家計再生コンサルタント、ファイナンシャルプランナー、株式会社マイエフピー代表取締役社長。お金の使い方そのものを改善する独自の家計再生プログラムで、これまで10,000人以上の赤字家計を再生。書籍・雑誌への執筆、講演も多数。著書は50万部を超える『はじめての人のための3000円投資生活』や『年収200万円からの貯金生活宣言』を代表作とし、著作は累計256万部となる。
横山光昭さん(以下、敬称略) 「高収入のはずなのに、なぜかお金が貯まらない」と相談に来る方も多いんです。聞いてみると、かなり贅沢な暮らしをしているのに「それって普通ですよね」という感覚の人もいます。
例えば、夫婦合わせて手取りで月70万円あるのに、貯金できないばかりか、毎月赤字になっているといったケースです。家計を把握するために、簡単な支出の内訳を書き出してもらうのですが、4人家族で、水道光熱費、携帯電話代、食費だけで月20万円もかかっていたりする。
―― 数字にするとかなりのインパクトですね。
横山 共働きなら食費が高くなるのは、ある程度は仕方ないとしても、月々の収入が限られていれば、おのずと節水、節電しようとか、携帯電話を格安スマホにしようということに意識が向くはずです。でも払える人の場合、全身のあちこちに贅肉が付いているように、支出全体が肥大化しています。それを可能にしている収入は今がピークかもしれませんから、自覚がないことそのものが、かなり深刻です。
―― チェックの目安はあるのでしょうか?
横山 色々な方法があるので、1つずつ見ていきます。簡単ですから、ざっくりでいいので計算してみてください。基本になるのは収入ですから、1カ月の家庭の手取り収入の合計を出します。
次に、教育費(授業料、塾・習いごとの費用)、住宅費(家賃・住宅ローン返済)、生命保険といった固定でかかる支出を合計してみます。さて、手取り収入に対して何パーセントでしょう? 理想は45%で、収入の50%を超えたら要注意。中には8割近く使ってしまう家庭もあります。
―― 教育費は、子どもに習いごとをやめろともいいづらいですよね。
横山 では住宅ローンや保険の見直しはどうでしょう? というように、削れるところから削って、バランスを取っていきます。